スマートフォンのカメラがどんどん進化した結果、日常の撮影にはほとんど困らないレベルに到達した。iPhone 6 Plusに光学手ブレ補正が搭載され、光学3倍ズーム搭載のASUS ZenFoneZoomが発表され、カメラ好きの筆者でさえ、もうほんとにスマホでいいのではと思えてきた。しかし、冷静に考えるとデジカメの優位性は、センサーサイズの大きさによる高感度撮影時のノイズの少なさ、画素数ではなく画質の良さ、超広角や超望遠が使えることなど、まだまだあるではないか。

オリンパス「AIR A01」。同社オンラインショップ限定販売で、価格はボディ単体が33,800円、14-42mm EZ レンズキットが49,800円(ともに税別)。編集時点ではアプリの準備が遅れ、発売延期中

スマホと連携して、これを実現しようとしたのがソニーのレンズスタイルカメラ「QX1」である。APS-Cサイズセンサーを搭載して、同社のEマウント交換レンズを装着する。レンズを含まないカメラ部のサイズは幅74×高さ69.5×奥行き52.5mm、約158gとなっている。

これに対してオリンパス「AIR A01」はマイクロフォーサーズの交換レンズに対応して、幅56.9×高さ57.1×奥行き43.6mm、約147gとよりコンパクトで軽い。どちらのカメラもスマホとWi-Fiで接続して、スマホの液晶モニターを利用して撮影する新発想のデジカメである。

カメラ+レンズでも重さ約240gの軽さ

それではAIR A01が、実際にどんなシステムで撮影するかを説明しよう。まず円筒形のカメラ本体がある。ここに撮影用のセンサー、microSDカードスロット、シャッターボタンなど撮影に必要な機能が収められている。レンズキットに選ばれたレンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」である。35mm判換算の焦点距離は28~84mm。収納時22.5mm、重さ約93gとパンケーキに迫る薄型軽量ズームレンズで、最短撮影距離は望遠側で25cmとなっている。

キットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」を装着したところ。実際に発売されるレンズキットは、ホワイトボディ×シルバーレンズ、ブラックボディ×ブラックレンズの組み合わせとなる

CP+ 2015で公開されたAIR A01のカットモデル。小型化のために中身が隙間なく利用されていることがわかる

下の写真はAIR A01にiPod touchを装着したところ。電源スイッチとシャッターボタンはカメラ本体にあるが、それ以外の機能についてはスマホ側のアプリで操作する仕組みだ。スマホを取り付けるためのアダプターに工夫があり、iPhone6 Plusをケースに入れた状態でも装着可能だ。

AIR A01にiPod touchを装着。画面を液晶モニターとして使える

スマホ用のアダプターにはスライドスイッチがある。これをSMALLからLARGEに切り替えるとヒンジの角度が変わり大画面スマホに対応できる

アダプターを外すとmicroSDカードスロット、充電用ポートなどが現れる。Wi-FiのON/OFFスイッチもここにある