説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneに「のぞき見防止機能」は付いていますか?』という質問に答えます。

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iPhoneには、いわゆる「のぞき見防止機能」はありません。最新モデルのiPhone 6/6 Plusでは、液晶ディスプレイの面積が拡大されているうえ、広視野角技術「デュアルドメインピクセル」を採用していますから、むしろ以前のモデルよりのぞき見しやすくなっているといえます。Retinaディスプレイは紫外線を活用した光配向技術によりコントラストが改善されていますから、なおさらです。

対策としては、のぞき見防止用のフィルムを貼ることが確実な方法といえます。コストがかかるうえ、iPhoneのRetinaディスプレイ本来の精細感は損なわれますが、視野を狭くする特殊加工により垂直方向以外からは見にくくなるため、のぞき見の心配がなくなります。

アプリで解決できるのでは、と考えるかもしれませんが、期待しないほうがいいでしょう。AppleはiOSアプリの開発ポリシーとして、他のアプリに機能提供するアプリ(システムレベルで動作するアプリ)はソフトウェアキーボードなど一部しか認めていないため、あるアプリが他のすべてのアプリに対し画面処理を施すことは実現不可能です。iOSにそのような機能が搭載されるのならば話は別ですが、iOS 8の時点では存在しません。

フィルムを使わずアプリにも頼らず"のぞき見対策"したいというのであれば、画面の輝度を下げるという方法があります。輝度を下げると遠目に見えにくくなるため、電車やバスの隣席からのぞき見を多少は防ぐことができます。もちろん、輝度を下げたぶん真正面からも見づらくなるため、根本的な解決策とはなりませんが、なにもしないよりはマシです。

iPhoneに「のぞき見防止機能」はありませんが、画面の輝度を思いきり下げれば斜め方向から見にくくなります