11月19日にパシフィコ横浜にて、ETロボコン2014チャンピオンシップ(CS)大会が開催された。その模様はこちらでレポートした通りだ。毎年マイナビニュースではCS大会の優勝チームのインタビューを実施してきたが、2014年大会のインタビューも、アーキテクト部門の優勝チームに対して行うこととなった。今回は、「mirai craft(富士ゼロックス/南関東)」である(画像1)。

画像1。mirai craftのメンバーにチーム関係者などを加えて記念撮影。ガッツポーズ!

なお、すでに2015年大会の記者会見が行われ、既報の通り、アーキテクト部門はイノベーター部門と名称が変更されることになったのだが、今回のインタビューは2014年大会の優勝チームに対して行われるものなので、従来のアーキテクト部門という名称をそのまま使用させていただく。

接戦だった2014年のA部門の詳細はレポートをご覧いただくとして、mirai craftの戦いぶりを簡単に説明させていただこう。まず会場でのパフォーマンスを一般・特別審査員計100名に評価してもらう「競技審査」で、200点満点中の165点を獲得し、3位につけた。あとは、大会が行われる前に本部審査員によってすでに点数付けが終わっている「企画審査」の得点が加味されるだけ。ただし、実際に会場では緊張感を演出するため、企画審査の点数は発表されず、表彰式まで優勝チームはわからないという仕組みだ。そして企画審査では200点満点中の143点を獲得し(これは後ほど公式サイトに掲載された)、合計308点。mirai craftは、2位に20点近い点差を開けて優勝したのである。

mirai craftが披露したのは、スマホでコントロールできるカート型ロボットを操作して買い物をするという内容(画像2~4)。今回の10チームは、トラブルなどでうまくいかなかったチームもあるが、技術的にすごかったり、フレッシュさにあふれていたりして、つい応援してしまいたくなる高校生チームがいたりと、なかなか見応えがあったのだが、「すぐできそうだし、あったら間違いなく便利なので今すぐにでもこういうシステムのお店を作ってほしい!」と、「こと作り」的視点で最もアピールしていたのが、mirai craftだったというわけだ。この内容はどのように生まれてきたのか、どんな苦労があったのか。早速、mirai craftのメンバーに聞いてみたいと思う。

画像2(左):パフォーマンスステージの全景。ショッピングモールのイメージで、複数のお店が軒を連ねているという設定。画像3(中):主人公メカともいうべき、お買い物用のカートロボット。彼が特定のお店に向かって移動し、ユーザーが事前に予約しておいた商品を受け取るという流れ。画像4(右):カートロボットはスマホで操作が可能で、その模様はチームが持ち込んだ機材の1つであるプロジェクターで投影されていた

なお、実際のインタビューでは複数のメンバーに応えてもらっているが、基本的には「mirai craft」という1チームとしてまとめて掲載させていただいた(画像5)。また、チーム関係者の方のフォローや、特定の誰がコメントしたのかがわかった方がいい場合に限って、姓名ではなく、どのようなポジションの方か、「リーダー」、ETロボコン1年目の「新人」、「関係者」といった具合でカッコ内に記載している。

画像5。チームは7名だったが、1名が当日は参加できず6名にインタビューをうかがった

-:優勝の実感は湧いてきましたか? 壇上に立って表彰状などをもらっていかがですか?

mirai craft(以下mc):いや~(苦笑)、まだあまり湧いてきませんね。

-:このあとの懇親会でほかのチームの方に囲まれて(笑)、徐々に湧いてくると思います。ちなみに、地区大会で354.67点とその時から成績が優秀だったわけですが、CS大会での優勝の自信はありましたか?

mc:……(1名だけ「うんうん」とうなずく)。昨日から完璧で。

-:後ろの方は自信があったんですね(笑)。

mc:(爆笑)

-:事前のテストでもバッチリだったと。

mc:(一部のメンバーが小さくうなずく)

-:企画審査の得点はわからないじゃないですか。どうしても競技審査の得点が判断基準になるかと思いますが、その時点で3位でしたが自信は揺るぎませんでしたか?それとも、これはマズイって焦りました?

mc:リハーサルの時に見ていて、マルチコプターを飛ばしたりとか、インパクトのあるチームが多かったので(画像6)、正直、大丈夫かなと不安はありました(mirai craftの出番は最後の10番目だった)。まぁ、でも、自分たちの見せるものやりきるっていうことに集中しました。

画像6。昨年の優勝チーム「男子力∞MAKOTO+α」は、マルチコプターで会場を沸かせた

-:やりきったからこそ、自信があったわけですか?

mc:そうですね。やりきれれば、優勝できるという自信はまぁ……(周りのメンバーを自信なさげに見回す)。

一堂:(微妙な笑い)