米IBMは2月17日(現地時間)、インテリジェントなソフトウェアを組み合わせることでストレージの経済性を変革し、ストレージの非効率性を解決する新しいソフトウェア製品群「IBM Spectrum Storage」を発表した。同社はまた、今後5年間で10億ドル以上をストレージ・ソフトウェア製品群に投資する計画を発表した。この投資では、新しいクラウド型ストレージ・ソフトウェアやオブジェクト・ストレージ、OpenStackを含むオープンな標準技術の研究開発に重点を置くという。

新製品群は適切なコストでさまざまなデータを動的に保存する効率的な「データ・フットプリント」を実現し、パフォーマンスやセキュリティの最大化を支援するとしている。

700件以上の特許を組み込んでおり、ユーザーが必要とする大量のデータをどこでもどのような方法でも、GUIベースのダッシュボードを通じ、ハイブリッド・クラウドを利用したビジネスモデルへの転換を支援するために設計したという。迅速なアクセスが可能なフラッシュ・ストレージからコスト最小化のためのテープやクラウド上への保存まで、適切な場所へ適切なタイミングでのデータ移動を支援するとしている。

同製品群に含まれる「IBM Spectrum Accelerate」は、同社の「XIVハイエンド・ストレージ装置」のソフトウェアに基づいた製品。チューニング不要な独自のアーキテクチャーを含み、通常は数ヵ月を要するストレージ・ハードウェア・システムの追加や導入、運用を、動的なストレージ容量の追加により数分で可能にするという。一般的なRAID構成では数日かかる6TB HDDの復旧作業を1時間以内で完了し、災害時のデータの事業継続を支援するとしている。

同社はさらに、2015年後半に同製品群のソフトウェア機能として、自社研究のマルチクラウド・コネクターを導入する予定だ。同機能は、データの機密性を確保しながら複数のクラウド間でデータを動的に移動することを可能にするという。また、複数のクラウドでのクラウド構成により、単一のクラウドと比較してサービス停止やデータ消失に対しより強力な回復力を提供するという。