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レノボ・ジャパン Think製品事業部 ThinkPad Product Manager

レノボ・ジャパン Think製品事業部 ThinkPad Product Manager 吉原敦子氏が、新モデルでの変更点を説明した。すでにCES 2015のニュース記事でもお伝えしているが、ThinkPad新モデルでは入力インタフェース周りに大きな変更がある。

2015年1月に国内販売を発表した「ThinkPad X1 Carbon」では、前世代モデルでファンクションキーの列に、Lenovoが「Adaptive Keyboard」と呼ぶソフトウェアキーボードを搭載していた。吉原氏によると、Adaptive Keyboardは、ユーザーからは「慣れると使いやすい」という評価があったが、企業のIT管理者からは異なるインタフェースの機種があるとユーザーサポートや管理がしにくいといった意見が寄せられたという。その結果、新モデルでは再びハードウェアのファンクションキーに回帰することとなった。

「ThinkPad X1 Carbon」では、ファンクション列が物理キーに戻った

また、ポインティングデバイスはThinkPad X1 Carbonを含む、多くの機種で変更された。従来の5ボタンを内蔵した面積の広いトラックパッドは、ユーザーからの「広いパッドを使いたい」という声や、Windows 8の搭載を見越して搭載したが、最近のユーザー調査では「物理ボタンがほしい」との要望が多かったことから、こちらも左右と中央ボタンを備えたクリックパッドへと戻ることとなった。

物理キーを備えたクリックパッドへ

ThinkPad新モデルでは周辺機器の共通化も行っている。「ThinkPad X」シリーズ、「ThinkPad T」シリーズ、「ThinkPad W」シリーズでは、内蔵バッテリに加えて、ホットスワップ対応の着脱式バッテリを搭載しているが、これは3シリーズで共通のものを利用できる。

また、ドックは「ThinkPad X」シリーズ、「ThinkPad T」シリーズ、「ThinkPad W」シリーズ、「ThinkPad L」シリーズの4シリーズで共通のものを、さらにThinkPad X1 Carbon/ThinkPad Yoga 12/「ThinkPad E」シリーズ、ThinkPad 10 / ThinkPad Helixでそれぞれドックを共通化している。ACアダプタに関しては、ThinkPad 10 / ThinkPad Helixを除く、ノートPC全体で共通のコネクタを採用している。仕様や周辺機器を共通化することにより、複数機種を導入した際における管理の負担を軽減する。

周辺機器の共通化を図った

堅牢性もさらに進化

2015年版ThinkPadでは、ThinkPad最大の特徴である堅牢性も進化した。従来のThinkPadシリーズは米軍調達基準(MIL-STD-810G)における10項目のテスト(湿度、低音、高温、粉塵、振動、メカニカル衝撃、高度、低音と高温が切り替わる極端な環境)をクリアしてきたが、新モデルではさらに2項目(太陽放熱。細菌試験)のテストを追加した。過酷な外部環境や実験室、研究室での使用を考慮したという。

上が従来テストを行っていた10項目。下が新たに追加されたテスト項目