神奈川県・パシフィコ横浜で開催のCP+2015、東芝ブースではフラッシュメモリを中心としたストレージ製品や、近距離の高速無線転送技術「TransferJet」、そしてSDメモリーカードの新規格「iSDIO」関連を多く参考展示していた。

iSDIO(インテリジェントSDIO)は、2013年から制定されたSDメモリーカード製品の新規格だ。コマンドでコントロールするためホストの負担が軽いというメリットがあり、SDメモリーカードに無線LAN機能を内蔵させた「FlashAir」が最初の製品となっている。

ブースの入口から近いところでは、現在560Mbpsの物理層を持つTransferJet機能をSDメモリーカードに組み込んだ製品の、展示とデモンストレーションを行っていた。TransferJetの無線通信は数センチの距離に限定されるためデータ漏えいの可能性が低く、一方で現在560Mbpsの物理転送速度(実効375Mbps)と高速。このTransferJetを、iSDIOを利用してSDメモリーカードに組み込んだわけだ。デモの内容は、iPhoneに取りつけたTransferJetアダプタを経由して、TransferJet内蔵SDメモリーカードに保存された写真を、iPhoneへ高速無線転送するというもの。

単なるキャンペーンガールではなく、デジタルカメラで撮影したデータを素早く転送するTransferJetのデモンストレーションだ

TrasferJet搭載の16GB SDHCカードを参考展示していた

Wi-Fi内蔵SDのFlashAirは第3世代へ

また、すでに市販されているWi-Fi内蔵SDメモリーカード「FlashAir」は、第3世代となる製品を参考展示していた。

第2世代のFlashAirはコマンドでのGPIO(General Purpose Input/Output : 汎用入出力)に対応し、いわゆる「Makers」(自分でモノを作る人と考えればよい)にアピールしている。第3世代では、パソコンからFlashAirをネットワークストレージとして扱えるほか、B2B向けにスクリプト言語(Lua Script)に対応するという。B2B分野では様々な要望があるため、個別対応ではなく、スクリプトで広くカバーということだ(旧世代からのアップグレードはおそらく無理という説明であった)。

無線LANをサポートするFlashAirの新製品を参考展示

NFC搭載のSDHCメモリーカードも参考展示していたが、これは今月(2015年2月)にも発売される予定だ。SDHCメモリーカードをスマートフォンにかざすだけで、SDHCメモリーカードの中身を確認できるようになっている。

NFCを搭載し、非接触で記録した内容を確認できるSDHCメモリーカード

UHS-II対応のSDメモリーカード製品もデモを行っており、高速転送を意識した連続撮影用の環境が用意されていた。UHS-IIはSDメモリーカードの高速転送規格で、312MB/秒というデータ転送速度を持つ。デモ環境では、UHS-IIの高速な転送能力によって、デジタルカメラの連写撮影が比較的長い時間持続するのが確認できる(撮影した写真をSDメモリーカードへ高速保存できるため、連写を続けられる)。

メモリカード製品の展示と、新製品となるUHS-II U3対応SDメモリーカードの紹介パネル。CP+2015の東芝ブースは参考展示が多かった

連写テストのために模型車が常に走っており、これをデモ用のデジタルカメラ(富士フイルムのX-T1、オリンパスのOM-D EM-5 Mark II、ニコンのD5300の3台を用意)で撮影。連写を長く続けられることを実感できた

四日市の半導体工場で作られた「15nm 300mm NANDフラッシュウエハー」を展示