1月14日から16日まで、東京は有明の東京ビックサイトで照明に関するイベント「ライティング ジャパン 2015」が開催された。その中のひとつ「東京デザイン照明展」は比較的デザインに凝った展示が多い。「あまりにも一般的なデザインでは大手メーカーに負けてしまう」という声も聞かれ、ここでは「和風」の観点でいくつかピックアップしてみた。

爪掻本綴織を使用したライトシェード(デザイン応談)

白龍庵勝山のライトシェード。西陣織の爪掻本綴織を使用している。これは下絵に合わせて横糸を通すため、完全な手作業。下の写真のような簡単な図柄ですら、織り上げるのに熟練工で2週間もかかるそうだ。布だけで15万ぐらいという(PROTO LIGHTのコーナーに展示されていたので、きちんとした商品という訳ではないようだ)。

その代わり、柄物でありながら光の透過がほぼフラットで優しい。一品から、オリジナルデザインで注文可能とのこと。

(左上)比較的地味な意匠に見えるが、これを織り上げるのに2週間という伝統工芸の世界と技。(右上)内側を見ると、刺繍と違い糸が出っ張っていない。(左下)右がデザインの下絵で、これにあわせて織ったのが左の布だそうだ

有田焼ペンダントライト

東洋セラミックスの有田焼ペンダントライト「彩」。磁器製なので、光を付けると、シェードから明かりがほんのり透けるあたりに風情がある。

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蝋燭風の和照明。提灯での採用事例も

ウイル電子の和照明。蝋燭(ろうそく)色のLEDで「1/fゆらぎ」を行う、独自開発の「でんろうモジュール」を採用している。中に蝋燭が入っているかのような雰囲気で、和室の寝室に置くとものすごく良さそうだ。モジュールそのものは提灯での採用事例があるとのこと。

照明としてのキモは、蝋燭風に光らせる「でんろうモジュール」。マイクも仕込んであり、音や息の吹きかけでゆらぎのパターンが変化するという

PP加工の紙製で安全性に配慮

中国のTAK FU HONG MANUFACTURING CO.,LTDの製品。この会社は、ポリプロピレン製品を多く扱っている。照明器具に関しては、紙をポリプロピレンで補強した材料を使っており、今回は着色されていない比較的落ち着いた商品を展示。紙とプラスチック素材のため比較的軽く、例えば地震で照明が落ちても、比較的安全という点をアピールしていた。

こちらはペンダントライト。Webサイトにはかなり派手なカラーリングの製品もあるが、今回の展示は落ち着いた製品のみだった

紙と木による優しい雰囲気がただようフロアライト。展示機は電球色のLEDライトを使用していた

美濃和紙ベースの照明

彩光デザインの和紙照明。この会社は手すきの美濃和紙を多く使用しているのが特徴だ。特注も受け付けているとのことなので、こだわりの注文住宅や自宅リフォームで利用すると良さそうだ。

写真左に見えるのは、壁面に設置した照明。壁面用だけでなく、天井に配置する照明としても利用できるという