日本の航空会社(JAL・ANAやジェットスターなどの格安航空会社)の飛行機のデザイン、どう思いますか?(写真はANAのボーイング787-9型機)

エアアジアやピーチなど格安のLCCも参入し、ハイクラスからローコストまで選択の幅が増えた航空会社。オールブラックのスターフライヤー、ピンクが目を惹くピーチなど、デザイン的にも面白い機体が増えました。

一方、古くからあるJALやANAも負けてはいません。JALは伝統の鶴丸を大きく復活させましたし、ANAはスペシャルマーキング機で世界にその名を馳せています。さらにヨーロッパやアメリカ、世界各国の飛行機が集まる飛行場にはカラフルな色があふれ、お国柄を反映したデザインの博覧会のようにも見えます。

そんなこんなで、今回は飛行機のデザインに関するアンケートです。日本在住の外国人20名に「日本の航空会社(JAL・ANAやジェットスターなどの格安航空会社)の飛行機のデザイン、どう思いますか?」と質問してみました。

■ANAのマリンジャンボはとてもかわいくて気に入っています。(トルコ/30代前半/女性)
■アニメが描いている飛行機がかわいいです。乗ってみたい。(タイ/30代後半/女性)
■ANAその他も悪くないですが、JALは特にかっこいいです。(フィリピン/40代前半/女性)
■特徴があると思います。(韓国/40代後半/男性)
■かなり素敵。(ロシア/20代前半/女性)
■ヨーロピアンスタイルに似ています。(スペイン/30代後半/男性)
■オシャレだと思います。(台湾/40代前半/男性)
■基本的にデザインなど清楚だと思う。(イギリス/20代前半/女性)
■みないいと思います。(スウェーデン/40代後半/女性)
■かっこいいと思います。(ペルー/30代前半/男性)
■かっこいいと思います。(アメリカ/20代後半/男性)
■悪くはない。(アルゼンチン/30代前半/男性)
■悪くはない。(イスラエル/30代後半/女性)
■機種によると思います。かっこいいのもあればそうでもないのもあると思います。(マレーシア/30代前半/男性)

好意的な回答あれこれ。トルコの方の回答にある「マリンジャンボ」は、まさに現在の日本の航空会社の特徴とも言える、スペシャルマーキング機の先駆けです。これはANAが創設後の乗客数累計5億人突破を記念し、一般公募で選んだ「クジラと海の生き物たち」のデザインをボーイング747全体にペイント。1993年9月12日の羽田~札幌間のフライトから約1年半、国内便にて運行し非常に話題になりました。

現在は特殊フィルムを貼り付ける方法が一般的ですが、全面塗装の新造機という部分でも特別な機体だったのだとか。この人気は「ポケモンジェット」などの登場にも繋がり、「アニメが描いている」「特徴がある」飛行機が増えていったのです。またその後、JALなど他社からもスペシャルマーキング機が登場。2010年には嵐のメンバーをデザインした「JAL 嵐JET」なども話題になりました。

ちなみにマリンジェットは世界初のスペシャルマーキング機ではない模様。米サウスウエスト航空では1988年からシーワールドとのコラボによる特別塗装機「ワン」シリーズを運行しており、シャチを塗装した最初の「シャム・ワン」、2013年の「ペンギン・ワン」などが有名です。

■JALとANAの椅子の広さや頭の後ろにあるタオルのような布が快適です。価格の安い航空会社の設備は、水の紙コップや椅子の広さなどが気に入らないので自分は利用しません。(オーストラリア/40代前半/男性)

外装だけではなく、インテリアや設えのデザインに関する回答も。普段から国内便や国際便をよく使われる方なのでしょうね。国内はほぼJALとANAしかなく(かつては日本エアシステムなどもありましたが…)、1990年代の規制緩和後にスカイマークやAIRDO、スターフライヤーなど中小の会社が増えました。そしてこの数年でLCCが登場、利用者の用途や予算、好みに沿った選択ができるようになったと言えます。

そんな中で特にこの2大航空会社は、国内・国際に関わらず「チケットの値段は高いけれどサービスや快適さ、安心度は抜群」といういわゆるハイクラスの位置づけ。オーストラリアの方が、快適さを好評価の理由として挙げておられるのも納得がいきます。

■普通です。(中国/20代後半/女性)
■普通だと思います。(ブラジル/20代後半/男性)
■普通のデザインだと思う。(チュニジア/40代後半/男性)
■わかりません。(ドイツ/40代前半/女性)
■わかりません。(ベトナム/30代前半/女性)

通常運行のデザインだと、あまり印象には残らないのかもしれませんね。スターフライヤーなどは就航の際に真っ黒のデザインが話題になりましたが、一般的な飛行機はCIカラー&白というデザインが大半ですよね。

この「普通」の印象になる白を使う理由には、塗装と塗料の問題があります。運航中に強い紫外線を浴びる飛行機は、退色しにくい特殊塗料で塗装します。しかしこの塗料は特殊な製造方法のため色つきだと製造が難しく、白はその中でも比較的容易に製造できるので選ばれやすいのだそう。紫外線で色が退色してもめだちにくいなどのメリットもあります。そう考えると、全面青塗装の機体を持つKLMやベトナムなどは、退色などのデメリットを引き受けてでも、目に留まりやすいデザインを重視しているとも言えるでしょう。

羽田や成田空港に行くと展望台から発着陸する飛行機を見ることができます。上記にも出てきたスペシャルマーキング機の運行時期には、カラフルな機体に見られ、そんな時にはちょっと嬉しい気分にもなれます。お天気のよい日にはカメラを持った飛行機ファンをたくさん見かけますが、実際の話、飛行機は一般塗装でも十分すてきなデザインが多いもの。ちょっとした旅行気分も味わえる飛行機をのんびり眺めに行く"乗らない"空港ツアー、結構オススメですよ。