トレンドマイクロは、メッセージアプリ「Viber」を装ったスパムメールが急増していると報告した。同スパムメールは、Androidや、iOSなどユーザーが使用している端末のOSによって誘導されるサイトが異なるという。

スパムメールの例

「Viber」は、AndroidやiOS、PCなど様々なOSや端末に対応したメッセージアプリ。同社が報告したスパムメールは、「Viber」を装ったものであり、使用しているOSや端末によって誘導先や、動作する不正プログラムが異なっている。

PC版では、スパムメールに記載されたリンクをクリックすると、「BKDR_KULUOZ.VLU」として検出されるバックドア型不正プログラムが PC上にダウンロードされる。

モバイル版では、不正プログラムがダウンロードされることはないが、ランダムなURLや検索エンジンサイト、公式のアプリストアなど、様々なWebサイトに誘導されてしまう。不正な動画配信サイトも含まれており、会員登録の際に入力したクレジットカード番号を利用して料金を請求される場合もあるという。また、AndroidやiOSなど端末のOSによって誘導先のWebサイトが異なり、Android版では、Google Play上のアプリ「Go Launcher」に、iOS版ではiTunes上の中国製ゲームアプリのページに誘導されることもある。なお、同社はいずれのアプリも不正なものではないとしている。

動画配信サイトに誘導された例

「Google Play」に誘導された例

「iTunes」に誘導された例

またAndroid版では、空白ページに見えるWebサイトに誘導される場合もある。同社がページのソースコードを解析すると、「ANDROIDOS_PAWEN.HBT」というAPKファイルを含んだWebサイトに誘導するリンクを含んでいることがわかった。

「ANDROIDOS_PAWEN.HBT」には、様々な成人向けサイトへのリンクが含まれているほか、端末の受信および着信を監視し、電話番号を収集して、APKファイル内のハードコートされたURLに送信する。

同社では、メールに記載されたリンクをクリックすることは避け、アドレスバーに直接URLを入力することを推奨している。

(記事提供: AndroWire編集部)