「挑戦」については、まず、ハードウェアの性能向上がある。CPUはMIPS 300MHzからPowerPC 1.0GHzになり、メモリはROMが16MBから32MBへ、RAMが128MBから256MBへそれぞれ倍増した。

また、電源は、これまではAC100Vだけだったが、AC100-240Vに対応した。電源ケーブルも本体一体型から着脱式とし、取り回しがしやすくなった。消費電力は最大消費電力が16.0Wから14.5Wへと減少。新たにイーサネット用の省電力技術「EEE」に対応した。一方で、動作温度の上限値が40℃から45℃にまでアップした。筐体の小型化も注目点だ。従来から奥行きが31mm小さくなり、設置場所の幅が広がった。

電源ケーブルの取り回しを改善

最大の特徴は、ルーティングの性能向上だ。スループットは最大1Gbsから最大2Gbpsへと倍増した。さらに、VPNスループットは最大200Mbpsから最大1.5Gbpsへと約7倍増にまでなっている。NAT性能も、「ポートセービングIPマスカレード(仮称)」という新しい方式を採用したことで、これまでよりも効率的にセッションをさばけるようになった。これは、セッションごとに1つのポートを割り当てるのではなく、ポートを使い回せるようにすることで、最大セッション数を向上させる技術だという。最大セッション数は2万から、6万5534に増えた。

ルーティングの性能向上

さらに、挑戦の項目としては、リンクアグリゲーションの搭載、FlashROMのフェイルセーフ機能、シリアル通信字のUTF-8(日本語)対応、GUIの刷新などがある。なかでも、GUIの刷新は、ダッシュボード、LANマップ(端末管理)、かんたん設定など、使いやすさを追求している。

リンクアグリゲーションやFlashROMのフェイルセーフ機能搭載

藤木氏は「リプレースがしやすく、パフォーマンスも大幅に向上した。ネットワーク管理が効率的にわかりやすくなった」と強調した。

GUIの刷新は新機種の目玉機能。左が機器の状態が一目でわかるダッシュボード。右は接続された機器がツリー構造で確認できるLANマップ