昨年、英国で登場しネット上でも話題になった「Jackpen」。今年10月10日より国内でも正式に販売が開始された。イヤホンジャックに収納できる"ボールペン"で、ペンが見つからない時や、ちょっとだけ書く必要があるときにすぐ使えるのが利点だ。今回はさらに、書くだけじゃない使い方にチャレンジしてみた。
スタイラスペンが大好きな英国紳士がレストランで思いつく
この製品を発明したのは、Jackpenを販売するその名もJackpen LTD 社長のAndrew Jewson氏。9月に来日された際、その開発の経緯を伺った。
Jewson氏はiPhoneがこの世に生まれる以前から(はるか以前から)Palmを愛用していた。Palmとは、付属のスタイラスで操作・入力を行う液晶画面搭載の小型情報端末のこと。カレンダー、アドレス帳、辞書機能などを搭載し、グラフィティと呼ばれる独自の文字入力など、小さな画面とスタイラスを使った独自の操作感で、2000年代中盤には先端を行くデバイスだったものだ。
Jewson氏は比較的早い段階でiPhoneを利用し始めたが、iPhoneは指での操作が基本で、スタイラスを収納する機構は付属していなかった。スタイラスがないとどうも落ち付かないJewson氏は、iPhoneを使い始めてからもPalmを持ち歩いていたという。Jackpenのコンセプトを思いついたのはそんな時だ。
Jewson氏「レストランでランチ中に、紙ナプキンにメモをしようとしたらペンがない。ウェイトレスに頼んでペンを借りた時に、ここにペンが入るんじゃないかと思いついたんです。」
さっそく、すでに似たような商品がないか探し回り、特許も調べたがどこにもない。そこで、自ら作ってみることにした。
Jewson氏「100個200個と試作の型を重ねるうち、自分自身でとても気に入ってしまい、友人にも見せたんです。そうしたらとても反応がいい。試しに、ロンドンで開催された小さなステーショナリーの展示会に出品しました。」
これがブレイクの発端となった。Jackpenは予想をはるかに上回る反響を呼び、来場者やメディア取材がひっきりなしに訪れるためにJewson氏は「トイレに行く暇もなかった」。しかしこれがきっかけでJewson氏は現在のJackpen社のメンバーと出会い、会社を立ち上げるに至った。さらにこの時の報道が、後にJackpenが世界各国で販売されることにつながっているのだ。
歴代iPhoneでJackpen使い心地対決
先日、海外から帰国する機内で通関申告の用紙に記入しようとして筆記用具がないことに気付き、まさに「こんな時にJackpenがあれば……」という場面に遭遇した。ペンを持っていない時でも、スマートフォンはだいたい持っているものだ。日頃の打ち合わせなどでもメモはPC・タブレットを使うことが多い現在、とっさに紙にメモする必要が生じた時に、テーブルの上にペンは出ていない。探すとなるとカバンの中で見つからない……。
そう、必要な時にない、探すと見つからない。「ペンが欲しい」と思ったシチュエーションから誕生しただけあって、Jackpenはそのニーズをしっかり満たしてくれるのだ。
しかし、スマートフォンのような板状のペンはこれまで使ったことがない。書き心地はいかがなものだろうか。実際にその使い勝手を試してみよう。
歴代iPhoneで
iPhone 4Sから6まで、3機種のiPhoneに取り付けて試してみた。ケースなしで使用した場合の書きやすさは、iPhone 5が一番良い印象だ。4は厚みと重さがちょっと気になる。6は側面がラウンド形状のため、ペン先の挿しこみ部分に隙間が生じて微妙なグラつきがある。5は"普通に書ける"という感じだ。長時間使うのは難しいかもしれないが、必要な用を足すには全く問題ないだろう。
ボールペンとしては一般的な油性タイプ。書き出しは滑らかで、筆圧が弱めでも比較的くっきりとした筆跡が残る。ただし、紙に当てる傾きが大きいと線が細くなったりインクだまりができやすいようなので、垂直に近い角度で書くのがおすすめだ。
小さな見た目に反して、このコンセプトはインパクト大。持っていれば話題作りにもなるし、これからのパーティシーズンにビンゴの景品やプレゼントアイテムとしても活用できそうだ。
ちなみに、国内販売代理店KODAWARIのオンラインストアを見ると、ユーザーレビューのコメントとして「iPhoneのグリップ感向上に良い」との意見があった。確かに、iPhone 6/6Plusはサイズが大きく側面がラウンドしたために滑りやすい。これにJackpenを取り付けることで、小さな突起がホールドの際の手がかりになる、ということのようだ。
飾りを付ければ一石二鳥のアクセサリに
実用系スマートフォンアクセサリとして注目されたJackpenだが、日本でイヤホンジャックに付けるものといえば、デコ系や動物・アニメなどのキャラクター系アクセサリが主流。スマートフォンが大型化している現在、挿して書くのではなく、あえて単体のボールペンとしての可能性を求めてみるのも良いのではないか。ということで、デコ系アクセサリとしての活用にチャレンジしてみた。
材料
・Jackpen |
材料のパーツは、ジュエリーパーツショップ、手芸店、ホームセンターなどで販売されている。チャームはジュエリー用パーツの他、100円ショップのピアスやペンダントを流用しても。