エプソンは11月11日、ビジネスプロジェクタの新製品として、超短焦点レンズの搭載によって約83cm~89cmの距離から80型の大画面を投影可能な「EB-536WT」「EB-535W」「EB-530」の3製品と、持ち運びも考えたコンパクトモデル「EB-965H」「EB-950WH」「EB-940H」「EB-950WHV」の4製品を発表した。

写真奥より、超短焦点レンズを搭載した「EB-536WT」と「EB-535W」、写真手前が簡単・充実モデルの「EB-950WH」

書画カメラがセットとなっている「EB-950WHV」。HDMI×2系統(うち1系統はMHL対応)を搭載しており、異なる2つの画面をスクリーンに投影可能だ

映像入力端子のアップ

超短焦点レンズを搭載した「EB-536WT」。従来モデルで好評な無線LANでのワイヤレス接続機能はもちろん、電子黒板機能で使用するペンも2本、標準で付いてくる

電子黒板機能では、最大4画面を同時に投影できる。例えば、生徒が操作するタブレットの画面を複数投影し、学習効果を高めるといった使い方も。投影面にペンで書き込みを行うことも可能だ

複数台のタブレット画面を投影する際には、教員用のデバイスを使って投影したい端末をコントロールする

「EB-536WT」「EB-535W」「EB-530」の3製品は12月11日より販売を開始し、「EB-965H」「EB-950WH」「EB-940H」「EB-950WHV」は2015年2月下旬より販売を開始する。価格は全7製品オープンプライスとなっており、ダイレクトショップ参考価格は「EB-536WT」が208,000円(税抜)、「EB-535W」が158,000円(税抜)、「EB-530」が148,000円(税抜)、「EB-965H」が158,000円(税抜)、「EB-950WH」が148,000円(税抜)、「EB-940H」が138,000円(税抜)、「EB-950WHV」188,000円(税抜)となっている。

発表会の冒頭、エプソン販売 取締役 販売推進本部長の鈴村文徳氏は、ビジネスプロジェクタ市場の概況を述べるとともに、エプソン製プロジェクタの代名詞ともいえる「全白、カラーともに明るい3LCD方式の採用」や、ユーザーの声に真摯に向き合ってきたことにより、2013年度まで19年連続国内シェアNo.1の評価を得ていると語った。「20年連続国内シェアNo.1の獲得を目指す」(鈴村氏)と意気込みも見せた。そして今回、文教用途はもちろん、小・中規模の会議やミーティングで使い勝手の良い7モデルを投入する。

20年連続で国内シェア1位獲得を目指すと語るエプソン販売の鈴村氏

ビジネスプロジェクタ市場において、エプソンは順調に市場シェアを伸ばしてきた。2014年度上期の時点で、61.3%のシェアを獲得。19年連続で国内シェアNo.1の座をキープしている

カラーでも全白と変わらない明るさを実現する3LCD方式や、ユーザーの声を製品に反映させてきた結果、厚い信頼を得ている

20年連続という言葉には、エプソンのビジネスプロジェクタ市場における強さを感じさせる

セイコーエプソン ビジュアルプロダクツ事業部 副事業部長の大寺篤は、新製品について解説。超短焦点レンズ搭載モデルは、従来製品が3,000ルーメンであったところを3,400ルーメンへと明るくしたほか、16Wのスピーカーを搭載した。例えば教室で使うとき、音声が後方まではっきり届くようになっている。

また、約83cmという超短焦点レンズの搭載も大きい。文教においては教卓に設置、ビジネスにおいては会議テーブルの端に設置しても十分な大画面を投影でき、スペースを有効に活用することが可能だ。さらに、かねて評価を得てきた基本性能も強化され、電子黒板内蔵モデル「EB-536WT」ではPCレスの電子黒板機能に加え、新たに制御ツールバーとペンでプロジェクタ機能を操作できるようになった。

最大50台までのタブレット端末を接続可能なうえ、全画面、2画面・4画面の分割投影によって、比較学習のサポートも万全だ。ユニークな機能としては、ビデオカメラと接続して鏡のように投影可能なミラーモードが挙げられる。必修科目となったダンスなどの授業で大いに役立つだろう。

超短焦点レンズ搭載モデルのロードマップと機能概要

新製品のおもな特徴は、83cmの距離で80型の大画面、全白・カラーで3,400ルーメンへと進化した基本性能、そして文教用途オリジナルの機能

明るさ、はっきり文字が認識できる高画質、電源オフでもスピーカーとして使える16Wスピーカー搭載など、基本性能が向上

このスライドを見れば、第一世代から今回発表された第四世代まで、どのように機能が強化されてきたかが分かる

「EB-536WT」が備える、授業をサポートする機能群。2本のペンが標準で付属し、電子黒板としての利便性が高められた。また、最大4画面を投影可能な比較学習用アプリケーションを用いることで、より質の高い授業を行う環境が整った

そして、簡単・機能充実モデルについても、3LCD方式を採用している。超短焦点レンズ搭載モデルと同様に、16Wのスピーカーやスマートデバイスとの連携強化が施されている。

用途として持ち運ぶケースも多いことから、2.7kgと軽量なうえに、ソフトキャリングケースを付属させている。使い勝手を高める機能としては、PCを接続すると自動でプロジェクタの電源が入るオートパワーオンや、HDMI出力×2系統(うち1系統はMHL対応)の装備などが挙げられる。Androidを代表とするスマートデバイスとの親和性が向上しているのが特徴的だ。

簡単・機能充実モデルのロードマップと機能概要

簡単・機能充実モデルの特徴ダイジェスト

MHL対応や、QRコードを読み取ることで無線LAN接続設定が可能な「Epson iProjection」は、モバイルデバイスとプロジェクタの使い勝手を大きく高めてくれるのでは

エプソン販売 VPMD部 部長の蟹澤啓明氏

エプソン販売 VPMD部 部長の蟹澤啓明氏は、販売戦略を紹介。オフィス向けには、ワンランク上の明るさと使いやすさ、充実した機能、近距離からでも80型の大画面を投影できる点を訴求する。

文教においては、電子黒板機能や、プロジェクタを設置する環境への対応力、教室内という空間でもはっきり見やすい明るさを備えている点を訴求し、今後1年で12,000台の販売を目指す。

また、全白・カラーにおいて明るさが変わらない3LCD方式の採用を打ち出し、他の主要方式と比較して「最大3倍カラーが明るい」と訴求。発表会では、全白3,000ルーメンというカタログスペックのプロジェクタ×2台を用意し、実際にカラーでの色の再現性や明るさを見比べるデモを行った。3LCD方式を採用した「EB-950W」と、1チップDLP方式を採用した他社製品の比較だ。あくまで個人的な印象を述べると、3LCD方式の方が明るく、色のメリハリがあった。

ビジネスシーンにおける超短焦点レンズ搭載モデル、簡単・機能充実モデルの訴求ポイント。利用シーンとしては10名以上の小・中規模の会議室がターゲット

文教シーンにおける超短焦点レンズ搭載モデル、簡単・機能充実モデルの訴求ポイント。利用シーンとしては一般教室や多目的教室を想定

最大3倍、3LCD方式は明るい。その優位点を武器にコミュニケーションを図っていく

デモンストレーションを行ったセイコーエプソンの窪田氏。手に持つのはカラー光束を規格化しているSDIの資料

デモンストレーション環境の概要説明図

左のスクリーンが3LCD方式、右のスクリーンが1チップDLP方式

光を三原色に分離している様子が見られるカットモデル