世のMacユーザーにとっては先週末からOS X Yosemiteアップデートで楽しい1週間といったところだろうか。かく言う筆者も、いつものように軽ーくアップデートしちゃうぜーと、メインマシンのiMacでアップデートを開始した。いつもならサブマシンであるMacBook Pro Retinaディスプレイモデルからアップデートするところなのだが、最近は客先で作業することが多く、もしものことがあった場合に困るのはそちらだったためだ。

今回のYosemiteアップデートの注意点は、機種によって一部の機能が利用できないことだ。Yosemiteのキモとも言えるHandoff、iOS機器とのAirDrop、Instant Hotspotなどは、Bluetooth 4.0に対応する機種(Bluetooth BLE対応)でのみ利用できる。これはシステムプロファイルから確認でき、具体的には2011年の中頃に出た機種、Mac Pro(Late 2013)、iMac(Late2012)、Mac mini(Mid 2012)、MacBook Pro(Mid 2012)、MacBook Air(Mid 2012)以降が対応している。筆者のiMacはMid 2011でこれらの機能に対応していなかったがそれらの機能はMacBook側で試せばいいやと。TimeMachineへのバックアップもできていたので、気楽な気持ちでアップデートを開始……したのが苦難の道の始まりだった。

Handoff、iOS機器とのAirDrop、Instant Hotspotに対応する機器はシステムレポートのLMPのバージョンが0x6になっているはず(一部未対応機種あり)。これはMacBook Pro Retinaディスプレイモデルのものなので対応しているというわけ

アップデートできない??

ダウンロードも順調に進んでアップデート……がかかったあと、いきなりのエラーメッセージ、「お使いのコンピュータにOS Xをインストールできませんでした パッケージ"BaseSystemBinaries.pkg"からファイル抽出中にエラーが起きました。」ってあれ? 何かおかしかった? ああ、普通に上書きインストールしちゃったから、何か変なもんでも残ってたのね。リカバリー領域から再起動して再インストール。実はこの時点でリカバリー領域もYosemiteにアップデートされているので、ここからリカバリーできるのはYosemiteのみなのだ。そして2度目のアップデートにも同じパターンで撃沈。あれー?

こんなエラーメッセージが出た。何回やってもダメ。泣きそう

しかたないのでシステムの入っているHDDをフォーマットして再インストール。ダメ。TimeMachineからシステムを書き戻して(こちらはMavericksだった)、Yosemiteを再ダウンロードしてインストール。ダメ。ダウンロード後にイメージだけ抜き出してSDカード上に起動ディスクを作り、そちらからインストール。ダメ。しまいには何がなんだかわからなくなって、思わず新型iMacをポチりそうになりながらも思いとどまり、でも打つ手なし。ああ。

しかしここで、エラーメッセージの部分をググってみることに。すると、Appleの米サイトのディスカッションボードに「メモリを最初に付いてたものに換えればできるよ」と書いてある。ほんとにー?メモリの問題なの?と思いつつ、半信半疑でメモリを……って、iMacに標準で付いてたメモリは友達にあげたんだった。こうなったらダメ元で、先日サーバ用に購入したMac miniのメモリを挿して、SDカードからのインストールを実行……したら、おおっ、できたよ!(感涙)

YosemiteがインストールされたあとのTimeMachineからの転送画面

ここまでで苦節1日。このあとさらにいろいろ(転送が止まっちゃってイチからやりなおしたり)やって、結局2日目の夜によーやくYosemiteのインストールが完了したという次第。そしてここまで来ても当然Handoff、iOS機器とのAirDrop、Instant Hotspotは使えないという事実。ああ、日ごとに深まる秋の夜長が身に染みるなぁ……。

とりあえず上記のエラーが出ている人は、メモリを挿し替えて試してみて欲しい。上手くいかない場合もあるらしいので、メモリの挿す位置を変えたりして根気よく試してみよう。

ようやくインストールが完了。長ーい道のりだった……

Mid 2011でもサクサク動くYosemite

そんなわけでなんとかYosemiteにアップデートされたiMacは処理速度的には問題なく快適に動いている。さらに思った以上にインターフェイスが変わっていて楽しい。今まで使っていたソフトにもある程度適用されるのだが、案外違和感なく使えている。

例えば通知センターはiPhoneの通知と同じような表示になってわかりやすくなった。Spotlightも画面の真ん中に表示され、検索結果とプレビュー表示がひとつのウィンドウで表示されるようになっている。Handoffなどは……もちろん試せていない(泣)。しかしそれらの新機能を使わない場合でも、アップデートの価値は十分にあると言えるだろう。

Finderのフォルダは前よりも目立つようになったかもしれない。ボタン類もフラットデザインに変更された

新しくなった通知センターはiPhone風。ここでもiPhoneの通知センターと同じように場所の取り合いが起こるだろうか

Spotlightはメニューバーからドロップダウンするのではなく、画面の真ん中に別ウィンドウで見やすく表示されるようになった

Yosemiteの悪夢は続く

しかし、Yosemiteの悪夢は筆者にとってはまだ終わっていなかった。

実はこのiMac、2年以上使っているけれど来た当初から少し挙動がおかしく、作業途中で止まってしまったりすることが頻繁に起こっていたのだが、Yosemiteになっても同じ……いや、もっと酷い状況が続いている。今回のインストールでメモリがおかしいかもしれないということがわかったので、試しに8GBのメモリをいろいろ挿し替えて試しているのだが、未だに止まったり、ログイン画面に戻されてしまったり、いきなり再起動がかかるという状況なのだ。

そして極めつけは「グラフィックスの問題が検出されました。」というエラーメッセージ。これがとにかく頻繁に出てきて、やはりしまいには止まってしまう。Photoshopなどグラフィック能力を多用するソフトを使っているならわかるのだが、それらにあまり関係のなさそうなFileMakerを使っていてもエラーが出る。

エラーメッセージが出るたびにレポートを送っても、Appleから連絡はもらえないらしい。せめて原因を特定して教えて欲しい

以前サポートに挙動がおかしいことを伝えてグラフィックカードなんかも換えてもらってるはずなんだが、結局は直ってなかったってことなのか。それともやはりメモリの問題なのか、とにかく原因が特定できないのはイタイ。イタ過ぎる。エラーメッセージが頻繁に出て作業が止まるのもとてもイタイ。作業途中でいきなり中断されてしまっては仕事にならない。

そしてもし購入するのなら、やっぱり今回のタイミングではiMac Retina 5Kディスプレイモデルしかあり得ないでしょ、うん。原稿を書いたりFileMakerでデータベースを作るのが主な仕事の筆者にとっては27インチ/5Kは明らかにオーバースペックマシンなんだけどさ。

いろいろと問題がある。まず今の作業机の上に載らない。現在は21.5インチのiMacがメインで24インチのサブディスプレイがあるので、サブディスプレイをどかさないと無理。そして高い。iPad Air 2も注文したばかりの筆者にとって、メモリを追加して30万超えは痛すぎる出費。さらに21.5インチのiMacはおそらくこの状態では下取りにさえ出せない。しかも来年くるかもしれないRetina Airも買いたいとか思ってる。ああ、アップル破産(号泣)。

……でも、やっぱり、今のタイミングでRetinaを買わないのは、アップル系ライターとしてあり得ない、よねぇ……。

そして僕は途方に暮れる……

はうぅぅぅぅ……。まぁ置き場所とかそーいうのは来てから考えよう。頑張ってお仕事しまーす。