ポイント文字とエリア内文字の変換

Illustratorには、文字の入力方法として、次の3つの方法があります。

  • クリックした場所から入力する方法(ポイント文字)
  • テキストエリアを作成して入力する方法(エリア内文字)
  • パスに沿って入力する方法(パス上文字)

この3つの方法のうち、「ポイント文字」と「エリア内文字」は、選択ツールで選択した際、どちらも全体がバウンディングボックスで囲まれるため、判別しにくいものとなっていました。

Illustrator CCでは、選択ツールで選択した際に、バウンディングボックスに新しいハンドルが表示されるようになりました。「ポイント文字」はハンドルが◯で表示され、「エリア内文字」にはハンドルが●で表示されます。

「ポイント文字」のハンドルは◯

「エリア内文字」のハンドルは●

このハンドルは、2つのテキストオブジェクトの種類を切り替える機能も持っています。ハンドルをダブルクリックすると、「ポイント文字」は「エリア内文字」に、「エリア内文字」は「ポイント文字」に切り換わります。

「ポイント文字」はハンドル◯をダブルクリックすると「エリア内文字」になり、「エリア内文字」のハンドル●をダブルクリックすると「ポイント文字」になる

なお、「ポイント文字」と「エリア内文字」の切り替えは、[書式]メニューにも追加されており、[エリア内文字に切り替え][ポイント文字に切り替え]で実行できます。

「ポイント文字」と「エリア内文字」の切り替えは、[書式]メニューからも実行できる

「ポイント文字」と「エリア内文字」を切り替えても、段落揃えや行送り値は、元の設定値が引き継がれます。

改行位置に注意

「ポイント文字」では、複数行にするには任意の位置でreternキー(またはEnterキー)を押して改行します。改行して複数行からなる「ポイント文字」を「エリア内文字」に切り替えても、改行コードはそのまま残ります。「エリア内文字」に切り替えた後、テキストエリアのサイズを変更すると、意図しない場所で改行されることがあるので、必要に応じて改行コードを削除する必要があります。

複数行の「ポイント文字」を、「エリア内文字」に切り替え

テキストエリアのサイズを小さくすると、「ポイント文字」のテキストの改行位置で改行されることがわかる

「エリア内文字」から「ポイント文字」に切り替えたときには、逆のことが起こります。複数行からなる「エリア内文字」を「ポイント文字」に変換すると、元のテキストエリアで改行されていた場所で改行された状態になります。

フォント検索機能の強化

Illustratorのユーザーの多くは、マシンにたくさんのフォントをインストールして使用していると思います。テキストに対するフォントの設定は、「書式」メニュー、コントロールパネル、文字パネルなど、いくつかの方法がありますが、フォントの数が多いと目的のフォントを選択するのが大変でした。

これまでも、コントロールパネルや「文字」パネルで、フォント表示欄にフォント名を直接入力して、該当するフォントを選択することはできましたが、フォントの名称を先頭から正しく入力する必要があり、お世辞にも使いやすいと言えるものではありませんでした。

Illustrator CCでは、コントロールパネルや「文字」パネルに、Webブラウザでの検索と同様の検索機能が搭載され、フォントの選択が行いやすくなっています。

例えば、「文字」パネル(またはコントロールパネルのフォントの表示欄)に「明朝」と入力すると、フォント名に「明朝」が含まれるフォントのみが表示されます。

フォントの表示欄に「明朝」と入力すると、フォント名に「明朝」が含まれるフォントのみが表示される

「明朝 b」のように空白文字を挟んで検索語を追加し、複数の条件で絞り込んで表示することもできます。

空白文字を挟んで検索語を追加し、複数の条件で絞り込んで表示できる

また、17.1のアップデートからは、フォントリストに「Typekitフィルター」ボタンが追加され、クリックするとインストールされているTypekitフォントだけが表示されます。

フォントリストの「Typekitフィルター」ボタンをクリックするとインストールされているTypekitフォントだけが表示される

なお、フォント表示欄の左側に表示された虫めがねアイコンをクリックすると、検索方法を切り替えられます。

フォントリストの「Typekitフィルター」ボタンをクリックするとインストールされているTypekitフォントだけが表示される

「任意文字検索」は、上述のようなフォント名に含まれている文字で検索する方法で、これがデフォルトの検索方法となっています。「頭文字検索」は、フォント名の先頭文字で検索する方法です。従来の検索方法を使う場合は、こちらを選択してください。