オーストリアのアナログICメーカーamsは9月22日、インタフェースソフトウェアスタックを含むNFC開発キット「AS3911」を発表した。活用することで、どのようなマイコンベースのシステムにも、NFCを実装できるようになるという。

NFCは、非接触型支払い方式などのアプリケーションへの適用によって、一般消費者市場で好評を得ている。同キットは、マイコンと外界とのワイヤレス接続を、シンプルかつセキュアに実現するNFCインタフェースを提供することで、ホストマイコンのOSとNFCリーダIC間に完全なソフトウェアインタフェースを独自に実装する必要がなくなるという。また、同キットのソフトウェアには、標準ベースのモジュラーファームウェア/ソフトウェアソリューションであるNFCコントローラインタフェース(NCI)スタックが含まれており、ハードウェアレベルからOSまでのオペレーションをサポートする。さらに、Stollmann E+Vと共同開発された同デバイスは、マイコンとamsの「AS391x」ファミリに搭載のNFC/HFリーダ間での通信を管理する。加えて、「AS3911」は、Android、Linux、Windows 7/8に完全対応しており、すばやく簡単に複数マイコン用のNFCアプリケーションを開発することができる。そして、標準インタフェースは、ルータやセットトップボックス、車載インフォテインメントシステム、民生用電子機器デバイス、家電製品などの様々なNFC対応デバイスに適応する。

この他、NCIスタックはモジュール設計になっているので、自分のシステムに合わせてアプリケーションに必要な機能を選択するだけで最適化することができる。つまり、設計次第でマイコン処理オーバーヘッドやメモリ使用量を最少化することも、高性能なマルチプロトコルサポートにすることも可能であるという。NCIは、独自のカードシステム用拡張機能を提供すると同時に、ISO標準化組織が規定するすべてのNFCプロトコルや、amsのNFCリーダ「AS391x」ファミリが提供する自動アンテナチューニング機能もサポートしている。また、NCIソフトウェアスタックは、UART、SPI、I2Cなど、さまざまな物理インタフェースと互換性がある。

なお、開発キット「AS3911」およびNCIソフトウェアスタックは、同社のWebサイトより入手可能となっている。

NFC開発キット「AS3911」