次にOS X Yosemiteとの連携機能について幾つか所感を。WWDC 2014のキーノートスピーチでは「Continuity」というキーワードが提示された。これは、MacとiPhoneやiPadなどのiOS端末との連携を指している。日本語にすると「連続性」とか「継続」という意味になるのだが、筆者にとってこの意味は「魔法」であった。かつてSF作家、アーサー・C・クラークは「高度に発達した科学は魔法と区別がつかない」と言ったが、これはまさに「魔法」を目の当たりにした気分だった。

iPhoneからMacBook ProへAir Drop

iOS端末から送信したファイルはMacの「ダウンロード」へと格納される

最初の「魔法」は、ついにOS XとiOSの間でファイルの送受信が可能となったAir Dropだ。データのやり取りに際してはWi-Fiの環境があれば良い。ためしにiPhoneのカメラロールに収められた写真をMacBook Proへと送信してみた。送りたい写真を選んで、画面左下の共有ボタンをタップ。送信できる対象となるデバイスが一覧表示されるので、送りたい機器を選んでタップ。すると送信が開始される。iOS端末から送信したファイルはMacの「ダウンロード」へと格納される。画像をMacに転送したいのに、Lightningケーブルを忘れて悶々としていたあれが、これで完全に懐かしい思い出に変わった。

iPhoneで作成し始めたメール

Macの「メール」の「下書き」に同じ内容のメールが

iOS 8の「設定」から「一般」→「Handoffと候補のApp」をタップして設定を行う

WWDC 2014のキーノートスピーチでは、iPhoneで作成し始めたメールをMacで引き継いで書き上げ、送信するというデモが披露されたが、これなんかもまさに「魔法」。書きかけで放っておいたメールが気がついたらMacの「メール」の「下書き」に入っていた。特に何も設定しないで、iPhoneのほうで書いたテキストを放置していたのだが、勝手にMacのほうに送られていた。送られていたというより「同期した」と言うのが適切なのだろうか、とにかく同じものがMacの「メール」の「下書き」にあった。メールだけでなく、「Pages」などのファイルも作業中のものをMacへ引き継ぐことができる。これらの機能は「Handoff」と呼ばれ、1つのデバイスで開始した作業を同じiCloudアカウントを使用するほかのデバイスで直ちに再開できるというものだ。必要なアプリはロック画面と、ホームボタンをダブルクリックすると現れるアプリスイッチャーおよび、MacのDockに表示される。

「応答」ボタンをクリックするとMacで電話がとれる

電話がとれなかった場合「リマインダー」でかけてきた番号を通知してくれる。赤で囲った青文字の電話番号をクリックするとMacから電話がかけられる。ただし、iPhoneが通信圏内になければならない

もう一つ「魔法」をピックアップ。これもWWDC 2014のキーノートスピーチで披露されたが、かかってきた電話をMacでとって通話できるというものだ。FaceTimeオーディオのように通常の電話を扱えるのであるが、所謂VoIPアプリを使ってのそれとは感覚的に違うのだ。向こうがかけてくるのは固定電話からだったりするわけで。しかし、こういう機能が実装されると、ある種のサービスやアプリは必要なくなってしまうのだろうなと、余計なお世話のひとつも焼きたくなるものである。

これらの魔法はOS X Yosemiteがインストールされた環境で使える、言い換えると、OS X Yosemiteがインストールされてない環境では使えない。魔法とはそういうものだ。

ここまで読んでくれたあなたがiPhoneを持ったWindowsユーザーであるなら、魔法がどんなものか覗いてみたくなっているかもしれない。それはそうだ、だって、あなたは既にiPhoneとiOSという魔法の半分を手にしているのだから。そして、それらが既に最上のユーザーエクスペリエンスを提供してくれていると分かっているのだから。