ソリッドワークス・ジャパンは9月5日、3Dエクスペリエンス・プラットフォームに基づく製品で、概念設計などの分野をカバーする「SOLIDWORKS Mechanical Conceptual」の国内販売を同日より開始したと発表した。

同社代表取締役社長である鍛治屋清二氏は、国内における「SOLIDWORKS Mechanical Conceptual」への期待として、「3Dエクスペリエンス・プラットフォームに基づく製品であるということで、これまでアプローチが難しかった分野に対してリーチすることが可能になる」としたほか、「クラウドベースの製品なので、サーバ管理者やIT部門を持たない、もしくは持つのが困難な中小企業などでも手軽に活用してもらうことが可能になる」とした。

ソリッドワークス・ジャパンの代表取締役社長である鍛治屋清二氏

「SOLIDWORKS Mechanical Conceptual」は主に詳細設計などを行う前の、マーケティングや営業、顧客からの要望などを踏まえて、新たな製品のコンセプトを決定し、それを形にする「概念設計(コンセプトデザイン)」での活用を主目的に開発されたツール。従来、2次元でスケッチされたデータを3次元に移行するためには様々な課題があったが、同ツールでは、「鉛筆のような軽快さで描くことが可能なスケッチ機能」を活用することで、デザインを2次元/3次元の垣根なしに実現できるほか、クラウド上にデータが存在するため、どこからでも参加権限がある人間であれば情報を共有することが可能。また、その情報にアクセスできる度合いについても、各個人ごとに権限設定が可能だという。

「SOLIDWORKS Mechanical Conceptual」はソリッドワークスにおける3Dエクスペリエンスプラットフォームをベースとした製品としては第1弾となる

従来のSOLIDWORKSは基本設計や詳細設計などの分野で用いられてきたが、「SOLIDWORKS Mechanical Conceptual」はその前段階となる概念設計の設計効率を向上させることを目的に開発された。同分野は、まだまだ紙と鉛筆によるラフスケッチ、というところも多く、そうしたユーザーが同じような使い勝手で使えることを目指して開発されたという

提供される製品としては、基本となる概念設計・メカニカル設計を行う「SOLIDWORKS Mechanical Conceptual」、「SOLIDWORKS Mechanical Conceptual」が導入されていることが前提だが、その中で概念設計の評価や検証などを行う「SIMULIA Structural Validation」、そしてクラウド上のデータにアクセス、情報交換やニーズの伝達などを行うといった周辺関係者にクラウドサービスへのアクセス権を提供する「Collaborative Sharing」(SOLIDWORKS Mechanical Conceptualにも含まれている)の3つのツールと、25GBのストレージオプション(通常時は5GBまでは無料で利用可能)が提供される。価格は、あくまで代理店経由となってしまうため、正確な金額では提示されていないが、参考価格としては、いずれも1年間の使用契約で、「SOLIDWORKS Mechanical Conceptual」が51万1800円(税別)、「SIMULIA Structural Validation」が68万4500円(同)、「Collaborative Sharing」が19万3200円(同)、25GBのストレージ追加費用が2万560円(同)としている。

提供されるのは用途に応じた3つの製品と、1つのストレージサービス。データにどの程度アクセスするかによって、利用する製品が異なってくる

ちなみに、クラウド上のストレージにデータは基本的には保存されているが、ローカルのPC上にダウンロードをすることも可能だという。

なお同社では、すべての産業分野における概念設計は共通ではないことから、今回を第1弾と位置づけ、今後、異なる分野により適したツールの提供を行っていく計画としている。

各製品の名称と、内包されるアプリケーション、ならびに同社が提示している参考価格。代理店を経由しての販売なので、あくまでこの価格は参考程度のものだという