iCloud Driveによって、アプリの中だけではないファイルの管理をiOSデバイスで実現するようになり、もう1つの新しい使い方が提供される。それは、あるアプリで作成したファイルを、他のアプリで編集するという、アプリをまたいだファイル編集だ。

例えば、軽快なテキストエディタで文章を書いて保存し、そのファイルをPagesで開いてレイアウトを整えるといった使い方もできるようになる。あるいはNumbersで作成したグラフをKeynoteで利用するといった事もできる。iOS 8のアプリ間連携を活用し、かなり自由にアプリをまたいだ作業ができるようになるだろう。

個人も、ビジネスも、アプリ連携のワークフローが必要

iCloud Driveの導入とiOS 8でのアプリやデータの扱い方の進化によって、これまでにない自由度の高い作業を実現することができるようになる。その分、放っておくだけではこうした便利な使い方にたどり着けない人が増えることは、パソコンの時代と同様だ。

1つのアプリ、あるいは複数のアプリの組み合わせを上手くガイドしてあげることで、こうした便利な連携「技」をより身近に体験できるようにする工夫が必要になるのではないか。ビジネスの分野では、アプリをまたいだ「ワークフロー」を組み立てることが、深い活用にとって重要になるだろう。

松村太郎(まつむらたろう)
ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を追求している。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師、コードアカデミー高等学校スーパーバイザー・副校長。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura