ワイモバイルは17日に発表会を開催し、同社のスマートフォン向け新料金プランを発表した。6月にイー・アクセスとウィルコムが合併した同社は、7日1日付けで社名を「ワイモバイル」に変更。また、8月1日からはヤフーとの協業により、「Y!mobile」ブランドでサービスを提供する予定で、今回発表されたプランがY!mobileブランドとして最初の料金プランとなる。
本稿では、ワイモバイルの新料金プランについて詳しく見ていくとともに、他キャリアとの違いや差別化要素について考えてみたい。
月額2,980円で通話も利用できるシンプルな料金プラン
ワイモバイルが発表したスマートフォン向け新料金プランは、シンプルさが特長のひとつになっている。「スマホプランS」(1GB)、「スマホプランM」(3GB)、「スマホプランL」(7GB)という月間のデータ量が異なる3つのコースが用意され、2年契約での月額基本使用料は、スマホプランSが2,980円、Mが3,980円、Lが5,980円(金額はすべて税抜)。
なお、大手3キャリアの料金プランとは異なり、上記の金額には通話基本料やWeb接続料が含まれており、これらの料金が別途かかることはない。また、通話料は完全な定額制ではないものの、1回10分以内の通話が月300回まで利用可能となっている。
ワイモバイルの料金プランを、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社の通話定額プランと比較すると、以下の表のようになる。
前述の通り、ワイモバイルの料金プランでは、通話基本料やWeb接続料が"コミコミ"となっているのに対し、大手3キャリアでは通話定額の基本料として月額2,700円、Web接続料として月額300円の合計3,000円がかかる。そのため、最低月額料金を見てみると、大手3キャリアは月額6,500円となって横並びだが、ワイモバイルは月額2,980円と他社に比べてかなり割安だ。
また、国内通話については、大手3キャリアでは通話時間や回数に関係なく、定額利用が可能だが、ワイモバイルでは前述の通り「1回10分以内の通話が月300回まで」という条件付きで定額だ。なお、ワイモバイルでもオプションサービスの「スーパーだれとでも定額」に加入すれば、月額1,000円の追加で通話時間や回数に関係なく国内通話を定額で利用でき、他社と同様の"完全定額"になる。
スーパーだれとでも定額に加入したほうが良いかどうかは、月々の通話時間などの自身の使い方にもよるが、月額1,000円を追加したとしても、ワイモバイルの料金は他キャリアと比べて、まだまだ割安だと言える。
「パケットマイレージ」でデータ量をお得に増量
ワイモバイルのスマートフォン向けサービスとしては、「Yahoo! JAPAN ID」とメールサービスの「Y!mobileメール(@yahoo.ne.jp)」、オンラインストレージの「Yahoo!ボックス」を30GBまで利用できる「基本パック」が月額無料で提供される。また、「Yahoo!プレミアムfor Y!mobile」、「Yahoo!ボックス」を50GBまで利用できるなどの各種特典が含まれる「Enjoyパック」も月額500円で提供される。
さらに、ワイモバイルで提供される特徴的なサービスが「パケットマイレージ」だ。同サービスは、Yahoo!サービスを利用することでマイルを貯め、ランクに応じて翌月に利用可能なパケット通信のデータ量が増量されるというもの。増量されるデータ量は、ブロンズで0.5GB、シルバーで1GB、ゴールドで5GB、プラチナで無制限となっている。Yahoo! JAPANに連日ログインすることで、マイルのボーナスが貰える「パケくじ」などが提供される予定で、楽しみながらマイルを貯め、データ量をお得に増量することができるだろう。
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本稿でも紹介した通り、ワイモバイルは8月1日より提供する「Y!mobile」ブランドのスマートフォン向け新料金プランを発表した。ドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3キャリアが横並びの新料金プランを導入したなか、今回発表されたワイモバイルの料金プランはシンプルでわかりやすく、他社よりも割安なのが特長だ。
携帯業界の過去を振り返ると、ソフトバンクの携帯事業への参入、iPhoneの日本発売という2つのトピックが、その後の歴史を大きく変えた出来事として挙げられる。今回、ワイモバイルがヤフーとの協業により、Y!mobileブランドをスタートすることは、それらの2つに続く大きなトピックとなりそうだ。大手3キャリアにワイモバイルを加えた4キャリア体制により、各社のサービスがどのように変化し、消費者のライフスタイルにどう影響していくのか、注目しておきたい。