デルは17日、Android 4.4搭載タブレット「Venue 8」と、Chrome OS搭載ノートPC「Chromebook 11」を発表した。本稿では、都内で開催された記者説明会における、「Venue 8」に関わる内容をレポートする。
Windows 8.1タブレットの投入から8カ月後となった理由とは
デルがAndroidタブレット「Venue 8」を国内で発売すると聞いて、思い起こしたのは昨年11月、Windows 8.1タブレット「Venue 8 Pro」の記者説明会のことだ。そのとき同社のエンドユーザー・コンピューティング統括本部の秋島健一部長 は、「タブレット市場でデルならではの価値を提供できるのはWindows 8.1搭載製品」とし、国内ではAndroidタブレットを展開する考えがないと述べていた。
それから8カ月あまり経った本日、「Venue 8」の記者説明会には昨年11月と同じく秋島部長が登壇した。筆者の期待を裏切らず、秋島部長はプレゼンテーションの早い段階で、なぜ今、満を持してAndroidタブレットを投入するか、その理由について切り出した。
秋島部長はまず、海外のDellと同じタイミングで発売することにはこだわっておらず、日本の市場・ユーザーにマッチした時期に提供していくことが、デル日本法人の考えであると述べた。その根底には、「デルならではの価値を出せる」ことが大事で、自信を持って日本のユーザーに価値を提供したいというポリシーがある。
秋島部長が「Venue 8」のストロングポイントしてアピールしたのは、フルHDを満たす解像度(実機は1,920×1,200ドット)とLTE対応SIMフリーモデルの存在だ。フルHD対応については、エンターテインメント用途が多いAndroidタブレットにおいては外せないスペックであり、「HD解像度クラス(1,280×800ドット)の製品は、あえて出さない」と決意を示した。
LTEモデルの存在はディスプレイの解像度以上に「デルならではの価値」を具現化した、「Venue 8」の強みといえるだろう。Windows 8.1タブレットの国内発売からの約8カ月、米国での「Venue 8」発売からの約9カ月は、この「LTE対応かつSIMフリー」を提供するための準備期間であったと筆者は推察する。