まとめると、Chrome Appsには引き続き注力するものの、GoogleとしてはAndroidを全体に戦略としてプッシュした印象が強い今年のGoogle I/Oだった。Android TVしかり、GoogleとしてはAndroidで蓄積された膨大なアプリ資産や開発者らの存在を無視できなくなっており、新開発の「ART」を軸にAndroid資産を活かしたプラットフォーム展開を目指しているとみられる。

Android WearやAutoをはじめ、組み込み用途まで含めて「ART」ランタイムを組み込んでプラットフォーム間でのアプリの共通化を図るのが今後数年先を睨んだ動きであり、すべての鍵は「ART」にあるといって問題ない状況になりつつある。「Material Design」と呼ばれるデザインガイドライン兼フレームワークを打ち出したのも、Androidランタイムを使って従来のスマートフォン/タブレットから、TVとIoTまで、あらゆるフォームファクタをサポートしていく布石の1つかもしれない。MicrosoftがWindowsランタイムをTVからPC、スマートフォン、組み込み機器まで含めて「すべてのスクリーンサイズでWindowsを」と言っているのと同じ動きだといえるだろう。