ロームは6月26日、電力線搬送通信(PLC)規格である「HD-PLC」inside規格に準拠したベースバンドIC「BU82204MWV」を発表した。

「HD-PLC」insideは、高速の電力線搬送通信として注目されている「HD-PLC」の組み込みに適した新規格であり、準拠するベースバンドICをM2MやIoT、スマートコミュニティ構築機器などに組み込むことで、既存の電力線を通信のネットワークとして利用できるようになる。

同製品は、「HD-PLC」insideのベースバンド処理に加え、ARMコアを内蔵。多彩なインタフェースを搭載した他、IC内でTCP/IPなどのプロトコル処理を行える。このため、家電製品などの既存システムから大きな変更を必要とせず、「HD-PLC」導入における開発負荷を大幅に軽減できる。また、間欠動作機能を搭載しており、消費電力を従来のPLC製品に比べて1/30と大幅に低減している。

なお、サンプル価格は2500円。6月よりサンプル出荷を開始しており、9月から当面月産10万個の体制で量産を開始する。生産拠点は、前工程がローム本社工場(京都市)、後工程がROHM Electronics Philippines(フィリピン)。また、評価ボード、リファレンスソフトウェアも用意されている。

「HD-PLC」inside規格に準拠するベースバンドIC「BU82204MWV」