GIGABYTEは台湾・台北市で開催している「COMPUTEX TAIPEI 2014」会期中の5日、報道陣向けに同社の主力工場である南平工場の見学会を開催した。

多くの熟練工が勤める南平工場

GIGABYTEは台湾内に南平、平鎮という2つの工場を持っている。このうち、平鎮工場はサービスセンター兼製品倉庫として利用しているが、南平工場ではマザーボードやグラフィックスカードをはじめとするPCパーツに加えて、デスクトップPCやノートPC、携帯電話など幅広い製品を製造している。

ロビーには拡張スロットやヒートシンクで作られた南平工場の模型や歴代製品が展示されていた

中国にも2カ所に工場があり、単純な規模でいうとそちらの方が大きく、コスト的なメリットもあるのだが、品質的な面から見ると台湾内の南平工場に分があるという。それは何故かというと、南平工場には多くの熟練工が働いているため。

GIGABYTEによると、南平工場に勤めている従業員のうち7割が10年以上にわたって勤続しており、高い技術に加えて製品や生産ラインを熟知しているという。ほかの工場と比べて、コスト的には不利でも高品質な製品を安定して製造できるというメリットが南平工場にある。

勤続年数の長い熟練工が多数在籍している

さて、南平工場におけるマザーボードの製造については昨年も紹介しているので、そちらを参照してほしい。今回は前回と異なるポイントとして、さらなる高品質にこだわった「BLACK EDITION」シリーズのテスト施設が南平工場に新設されたので、その様子を紹介したい。

■生産ラインの詳細などはこちらのレポートを参照してほしい
【レポート】GIGABYTE「高品質」の最前線 - 台湾本社のマザーボード工場を見てきた

7日間の耐久試験が課せられた"超高品質"モデル「BLACK EDITION」シリーズ

「BLACK EDITION」はIntel 9シリーズ搭載マザーボードから新設された製品シリーズだ。現在、マザーボードは「GA-Z97X-Gaming G1 WIFI-BK」「GA-Z97X-UD5H-BK」「GA-Z97X-UD3H-BK」の3モデルとグラフィックスカードは「GV-N75TWF2BK-2GI」の1モデルをラインナップする。

GA-Z97X-Gaming G1 WIFI-BK

GA-Z97X-UD5H-BK

GA-Z97X-UD3H-BK

GV-N75TWF2BK-2GI

「BLACK EDITION」シリーズの特徴は、製造時のテスト工程にある。一般的な製品の場合、通電試験をはじめとする動作確認は別だが、耐久テストのような品質チェックはいくつかサンプルを抜き取って検査している。

「BLACK EDITION」シリーズでは、専用のテスト施設が整えられ、すべての個体に対して品質チェックを実施する。168時間(1週間)の連続負荷テストを含む検証をクリアしたものだけが出荷を許される。製品には製造部門の副社長兼ゼネラル・マネージャーによるサインが入った証明書が同封されており、まさに高品質が保障された特別な製品といえるだろう。

特別な製品ということで、購入したユーザーに対して特典が用意されている。GIGABYTEでは、BLACK EDITIONユーザー専用のWebサイトを開設、ここからオーナー登録を行うことで、マザーボードで5年、グラフィックスカードで3年と通常の製品に比べて長期の保証が受けられるほか、GIGABYTE台湾工場への見学ツアー抽選招待や、各種PCパーツが当たるラッキードローといったイベントに参加できるチャンスも用意する。

■BLACK EDITIONユーザーに対する特典はこちら
GIGABYTE、Intel 9マザー「BLACK EDITION」購入者向けの専用Webサイト開設

さて、テストが行われている部屋を見ると、システムが収められたラックがずらりと並んでいた。部屋の中は室温およそ45度の過酷な環境に設定されている。ここでCPUやメモリ、電源を接続した状態で168時間の耐久試験を行っている。

ずらっと並んだテスト環境

室温はおよそ45度の高温に設定されている

CPUやメモリ、電源を接続しベンチマークテストなどを稼動させて耐久検査を行う

グラフィックスカードも合わせてテストされている

通常は抜き取り検査を行うところ、全量検査を行っているので製品の出荷までには時間がかかるし、数もかなり限られる。BLACK EDITIONの検査は一度に3,000枚まで可能だという。仮にすべての製品が検査をクリアしたとしても1カ月で12,000枚。月間25万枚のマザーボードを生産できる南平工場のキャパシティから考えると、BLACK EDITIONがいかに少ないか分かるだろう。

1枚1枚のボードに対してテスト状況が確認できる

部屋の中では人の手によりテストの準備が行われている。マンパワーもかなり必要となる

数が少ない製品に対して、専用設備の新設などかなりの投資を行うのは、コストを考えたらなかなか実現できない。台湾に工場を構えていることと合わせて、GIGABYTEの品質に対するこだわりが伺えた工場見学だった。