ローデ・シュワルツ・ジャパンは5月23日、周波数範囲9kHz~8.5GHzをカバーし、最大24ポートまでを1台に実装可能なベクトルネットワークアナライザ「R&S ZNBT8」を発表した。

同製品は、4ポートモデルをベースに、最大24ポートまでを1台に内蔵できる一体型マルチポートネットワークアナライザである。140dB(代表値)のダイナミックレンジ、+13dBmの出力パワーを有しており、従来の外部スイッチマトリクスを使用するソリューションのような、スイッチによる経路損失がないため、端末用スイッチングモジュールや多ポートアンテナ、パワースプリッタなどのマルチポートデバイスを、従来よりもはるかに高い確度で測定可能。内部パス構造は、どのポート間でも測定できるフルクロスパスとなっており、必要なパラメータをつなぎ替えなしに測定することができる。校正は、ポート数に応じて自由に設定でき、最大24ポート校正に対応している。さらに、マルチポート自動校正ユニットを用いることで、フル24ポート校正が、最短4回のつなぎ替えで実現できる。

また、従来のソリューションでは、測定レシーバの数が2または4と限られているため、マルチポートデバイスのすべてのSパラメータを測定するためには、スイッチを切り替えながら、各測定レシーバで何度も繰り返しSパラメータを測定する必要があった。これに対し、「R&S ZNBT8」は、すべての測定ポートに測定レシーバを持つため、多数のSパラメータを同時に測定することができ、マルチポートデバイスの測定を高速に行うことが可能となる。例えば、24ポートデバイスのすべてのSパラメータ(576パラメータ)を測定する時間は、従来の1/10程度となる201ポイントで260ms以下を実現している。この他、パラレル測定モードを備えており、最大24個のデバイスを同時に測定することが可能。これにより、生産ラインでの評価の効率化に寄与するとしている。

なお、「R&S ZNBT8」は内蔵ディスプレイを備えていないため、外部ディスプレイならびにキーボードとマウスを用いての操作となる。GUIは「R&S ZNB」シリーズと同一で、日本語メニューや各種ウィザードを備えているため、簡単に操作できる。