前回は「格安スマホ」が端末的にお得かどうかを考えてみたが、今回はよりスペック的な話をしたいと思う。スペックといっても端末の主なカタログスペックではなく、通信速度的な話。格安スマホのサービスによって意外な落とし穴があることを是非とも知って欲しい。
さて、スマホの通信速度の話をする前に、その数値について説明しておこう。おおよそスマホの通信速度は「bps」(bit per second)という単位で評価されている。あえてわかりやすくいうと、1秒間にどのくらいのデータを転送できるか? というのを示しているわけだ。
多くの場合「○kbps」「○Mbps」などと書かれている。数値としては数が大きいほど優秀なわけだが、端末の通信速度を調べると、NTTドコモにせよ、KDDIにせよ、ソフトバンクモバイルにせよ必ず「ベストエフォート型サービス」と注釈が書かれている。このベストエフォートがくせ者で、"努力はするけど、絶対じゃないよ?"というものだ。
仮に「最大150Mbps」の通信速度に対応していても、「※ベストエフォート型サービス」となっている限り、努力はするけど回線の速度や品質を確実に保障するものではないということだ。つまりだ、表記された数値は"技術規格上の最大値"であり、実測速度は大幅に下回ることもある。例えば、150Mbps対応エリアであったとしても、計測したら約20Mbpsだったというのは"ざら"にある。覚えておこう。
単位という意味では、おなじ「B(b)」を使う「バイト」(Byte)というものもある。「ビット」や「バイト」はパソコンと関係の深い単位なので、聞いたことがあるだろう。ちなみに、ビットは小文字の「b」、バイトは大文字の「B」を使う。バイトは例えば、HDDの1TB(テラバイト)、メモリの4GB(ギガバイト)といった感じで溶け込んでいる単位。今回の記事に限り、大雑把に"量"と把握しておけば問題ない。
で、バイトとビットの関係だが、1バイトを8ビットとして扱うことができる。100Mbpsであれば、「100÷8=12.5」という計算が成り立ち、秒間12.5MBのデータが転送できるという事になる。つまりは「100Mbps=12.5MBps」だ。で、ここまでが長い前振り。