調査会社NPDのDisplay Searchは5月21日、タブレットの画面パネルに関する報告書を発表した。それによると、タブレットの画面の出荷は2014年4月、初めて前年比割れしたという。ノートPCのタッチ対応、スマートフォンの大型化などのトレンドの間にありながら、タブレット業界は早くも再定義を求められているようだ。

2010年にAppleが初めて「iPad」を発売して以来、タブレットは右肩上がりで出荷増を続けてきた。AppleやSamsungなどのハイエンドタイプから、ホワイトレーベルの安価なタブレット、あるいは教育向けのOLPC(One Laptop Per Child)など教育目的での用途開発も進んでおり、この4年で大きな成長を遂げた。

実際、タブレットに利用されるLCDパネルの出荷台数は2014年に3億4,200万ユニットに到達する見通しというが、これは2011年の8000万ユニットから4倍以上の拡大となる。

だがNPDの調査によると、2014年4月、タブレット向けパネルは前年同月比マイナス成長を記録した。これは2011年以来初めての前年比マイナス成長で、2013年4月の出荷台数は2530万台だったのが、2014年4月は2420万台にとどまったという。

その背景として、"ファブレット"と呼ばれる大型スマートフォン(画面サイズが5.5インチや6インチのもの)の台頭、タッチ対応などのノートPCの進化、買い替え需要の鈍化、安価なホワイトレーベルの供給過多などが挙げられている。

また、タブレット自体も軽量・薄型化や高解像度といった機能の開発が進んでいるにもかかわらず、消費者を魅了することができていないと指摘されている。

NPDはタブレットをいかにしてパーソナルコンピューティングのメイン端末にするかについて、「サプライチェーン全体で考えるべき」と助言している。

その一案として、12インチなど画面サイズ大型化により既存のノートPCの領域に進出することを挙げ、「最終的には、大画面を中心にノートPCとタブレットPCの融合が起こるだろう」と記している。

2014年4月、タブレットのパネル出荷台数が初めて前年比割れした 資料:NPD Display Search