米AMDは5月5日(現地時間)、x86とARMがコンピューティングの2大勢力である現状の進展を見据えたロードマップ「Ambidextrous Computing」を発表した。「Project SkyBridge」というデザインフレームワークによって、2015年にARMとx86プロセッサのピン互換を実現。数年でARMベースのソリューションを拡充する。

AMDの予測では、現在x86とARMを合わせた市場は800億ドルに近づいている。今後ARMがシェアを伸ばしながらx86に比肩する規模に成長し、コンピューティングの2大勢力の市場は2017年には850億ドルを超える。そうした将来に向けて、AMDは自身を「この広大な市場(x86とARM)に対応可能なソリューションを提供する唯一の企業というユニークなポジションにある」としている。

ARMがシェアを伸ばしながら、2017年にはx86とARMを合わせた市場の規模が850億ドルを超えるとAMDは予測。

AMDは今年1月にx86ベースの新世代AシリーズAPU「Kaveri」、そして4月末に第3世代の省電力APU「Mullins」および「Beema」を発表した。同社はこの日、米サンフランシスコにおいて、28nmプロセスで製造される64-bit ARMベースのOpteron Aシリーズプロセッサ「Seattle」の動作デモを初公開した。Fedora ProjectベースのLinux環境でのデモであり、64-bit ARMプロセッサを用いた高効率なデータセンターの可能性を示すものだ。

2015年には20nm製造プロセスのAPUおよびSoCで、x86とARMのピン互換を実現するAmbidextrousデザインフレームワーク「Project SkyBridge」が形になる予定。ambidextrousという単語には「両手利き」「非常に器用」というような意味があり、Project Skybridgeはx86とARMのメリットを活かした柔軟な製品開発を可能にし、すばやい市場投入をサポートする。初のProject SkyBridgeファミリーは、x86版に次世代のPuma+コアを採用。そしてARM版はCortex-A57 64-bitコアがベースになる。これはAMD初のAndroid向けHSA (Heterogeneous System Architecture)プラットフォームになるという。

さらに2016年の発表を目指して、64-bit ARMアーキテクチャを採用した高性能・省電力コア「K12」を開発する。「64-bit ARMのパフォーマンスを新たなレベルへと引き上げる」としている。

Ambidextrous Computingロードマップ