米MicrosoftによるNokiaの携帯部門買収が4月25日(米国時間)に完了したが、それにともない同月28日より同社デバイス部門担当エグゼクティブバイスプレジデントに就任したNokia元CEOのStephen Elop氏がライブQ&Aイベントを開催した。この中で同氏は「Nokia」ブランドの今後について、長期的には別のスマートフォン向けブランド名を採用していく方針であることを明かした。

今回のElop氏のコメントはNokiaのライブイベントページで参照できる。Marketing Week誌レポーターのLara O'Reilly氏から「Nokiaを"Microsoft Mobile"のブランドに改称するという噂があるというが本当か」という質問に対し、Elop氏は下記のように回答している。

Elop氏が「Nokia」ブランドの今後を明かしたNokiaのライブイベントページ

Elop氏: "Microsoft Mobile Oy"というのは合併によって誕生した法的な組織だが("Oy"とはフィンランドの株式会社につく略称)、これはコンシューマによって認知されるブランドではない。Microsoftは"Nokia"ブランドを自身の携帯電話製品にしばらくの間利用する権利を持っているが、長期的視点ではスマートフォン向けブランドとしては利用できなくなるだろう。ゆえに今後スマートフォンブランドを選定する作業がすでに進んでいる。

O'Reilly氏の指摘していた「Microsoft Mobile」ブランドというのは合併後の会社名から着想を得た噂だとみられるが、実際にはこれとは異なる"何か別のブランド"をMicrosoftが検討に入っていることをElops氏は示唆しているとみられる。

問題は切り替え時期だが、Microsoftが買収の際に発表した資料には"Nokia"ブランドの使用期限が明記されていない。同社は買収合意の中で「Ashaと(スマートフォン製品での) Nokiaブランドの利用許可」と「特許等の10年間ライセンス権」を得ているが、Nokiaブランドの利用が特許ライセンス期限の10年に含まれるのか、あるいは今後Nokiaがスマートフォンに再参入しないことを前提として無期限での利用が可能なのか不明だ。

おそらく「ブランド自体の継続利用に関して」問題はないものの、Microsoftの製品であることを認知させるためにマーケティング的理由から、"なるべく早く"別ブランドへの移行を目指していると考えられる。筆者の予想では、最速で半年~1年以内での新ブランド発表が行われると思われる。理由は、今後対象とするのはNokiaの既存ファンよりも、シェア拡大のために新しいユーザーをなるべく早く獲得しなければならず、そのための再ブランディングが重要となるからだ。