オープンとの戦いと、先回りする各社

スマートフォンやタブレット市場について、もう少し大きな視点で見れば、Appleがデバイス、OS、ソフトウエアの全てをコントロールするモデルと、GoogleはOSと開発プラットホームを扱うが、それ以外のデバイスやアプリは自由さを担保するオープンなモデルに大別できる。

先進国市場ではAppleのブランドもあり、前者のモデルが優勢。世界市場で見れば圧倒的にGoogle率いるAndroidデバイスが8割以上を占める状況が作り出されている。ただし前述の通り、デバイスの販売から収益が上げられているのはAppleとSamsungが目立ち、他は振るわない。オープン側について台数が多く出荷されるから儲かる、という構造にはなっていないのが現実だ。

市場規模ではAndroidに譲るものの、スマートフォンという存在の規定やモバイルブラウザ、アプリ、カメラ性能、画面解像度、生体認証といったトレンド設定をこれまで全てAppleが行ってきた点が見逃せない。もちろんAndroidメーカーの方が、iPhoneよりもより高い画素数のカメラを搭載し、より大きく高い解像度のディスプレイをアピールしているにも関わらず、だ。

こうした状況に、Googleや他のメーカーが業を煮やすのも無理はない。ウェアラブルデバイスについては、Android陣営が、ソフト面、実際の製品面で先行しており、Samsungは2013年からスマートウォッチ「GALAXY Gear」をリリースし、Googleは2014年に「Android Wear」というウェアラブル向けのOSと開発環境を整備している。Appleが手を出す前に先行した形だ。