電車に乗ることが好きな人なら、クリステル・チアリさん(以下、クリスさん)をご存じの方も多いのではないだろうか。電車の中ではさまざまな英語のアナウンスが流れるが、多くの路線でこの英語アナウンスを担当しているのがクリスさんだ。
ひょんなことから、クリスさんが電車好きと聞きつけた(さらに線路やパンタグラフも好きだそうな)。電車の写真を撮ることも好きで、普段はスマートフォンで撮っているそうだが、行く先で出会った電車をもっときれいに楽しく撮りたいと思っていたとこのこと。
ならば、デジタルカメラを連れてゆくのはどうだろう。最近はスマートフォンのカメラ機能も進化しているが、光学ズームや快適なレスポンスなど、「写真」を撮る機械としては、まだまだデジタルカメラに一日の長がある。ワンランク上の写真を撮るには、やはりデジタルカメラがおすすめだ。鉄道撮影が中心の"撮り鉄"趣味の人なら、交換レンズや三脚などフル装備の機材を持ち歩くのも苦にならないだろうが、どちらかといえば電車に乗るのが好きな"乗り鉄"指向なら、気軽に持ち歩けるコンパクトデジタルカメラが向いている。
ところで、電車を撮る際に注意したいポイントをひとつ。フラッシュの光が運転士などの目に入ると、安全運行の妨げとなる。電車を撮る際は必ず、フラッシュを発光禁止モードにしておこう(別記事「鉄ちゃんの掟 - 初心者のための鉄道撮影マナー講座」より)。フラッシュを使わずに電車をキレイに撮るには、レンズの明るいデジタルカメラを選びたい。
「EXILIM EX-1OO」(レビュー記事「作品を撮るカメラとしてのもうひとつの提案 - カシオ「EXILIM EX-100」ファーストレビュー」より |
乗り鉄に向いたデジタルカメラとして、今回はカシオ計算機より3月20日に発売された「ハイスピードエクシリム EX-100」(以下、EX-100)を選んでみた。EX-100の光学10.7倍ズームレンズ(35mm換算で28-300mm相当)は、ワイド側から望遠側まで通しでF2.8と明るい。さらに、1回のシャッターで表情が異なる9枚を連写する「2軸ブラケティング」など、いろいろな機能も役に立ちそうだ。
ライブツアーを控えたクリスさんのスケジュールを何とか空けてもらい、編集HとライターA氏の3人でプチ電車の旅へ。乗る電車は、クリスさんの希望で東京の下町を走る都電荒川線。あいにく曇り空の小雨模様だったが、荒川線にたくさん乗って、たくさんの写真も撮ることができた。当日はEX-100の発売前だったので、カシオからサンプル機を借用した。以下、クリスさんによる乗り撮りエッセイを紹介する。
(マイナビニュース編集部)
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2000年8月に、東急の目蒲線が目黒線と東急多摩川線に変わった時、私の車内アナウンスが始まりました。その頃はまったく電車に興味もなく、淡々とお仕事としてアナウンスをしていました。
嘘は付けないので正直に言っちゃいますが、電車が可愛いと思い出したのって本当につい最近・・・。3年ほど前、向谷実さん、スーパーベルズの野月さんなど、コアな方々とご一緒する機会が増えて、電車のディープなお話をたくさん聞かせて頂いているうちに、自然と電車が身近になっていきました。そして気づいたら、珍しい車両を見つけてはスマホで写真を撮ってtwitterでつぶやいて、みんなに教えてもらうように。今ではお休みの日に一人ぶらり電車に乗って写真を撮ってみたり、ほげ~っと乗って景色を楽しみに出かけてみたり。。。すっかり電車の魅力にハマってます♪
今回、私が選んだ路線は、ずっと乗りに行きたくてもなかなかチャンスがなかった、都電荒川線! 期間限定で4月15日まで、青色のレトロな9002号の車内がまさしく桜満開の「さくら号」として運行中でした。せっかくなら新しいEXILIMのEX-100でいっぱい遊んじゃおう!と、荒川線をチョイス!
ブログなど、いつも写真を載せるときに私が心がけることは、「楽しく」と「遊び」なんです。キレイで奥の奥まで鮮明に映せるのも大切だと思いますが、私は可愛くポップにしたくて、これまでは加工していました。でも、この子(編注:EX-100)なら、1台でポップにも、おしゃれにも、アートにもレトロにもできてしまう! 私の中ですごい衝撃でした。しかも、カメラの知識があまりない私でも簡単に使える! 嬉しくて嬉しくてたまりませんでした!
EX-100の機能や操作を教えて頂き、まず2軸ブラケティング機能からチャレンジ。1度シャッターボタンを押すと、2種類の設定を変えながら9枚を連写してくれます。明るさや彩度で遊んでみたり、コントラストで遊んでみたり。微妙に1枚1枚の表情が違うのが面白い。
少し慣れてきたところで、トイカメラ機能(編注:アートショット機能の「トイカメラ」)で遊んでみました。レンズ周りのリングをカチカチカチっと回して、好きな色合いを選ぶことができる、1つじゃないんだ。(編注:EX-100はレンズ鏡胴の根本にファンクションリングを備えている。このリングには、ステップズームや各種設定/パラメータの変更などの操作を割り当てることが可能)。
この子は奥が深い。自分らしさを色んな方向から出せるんだ。もっともっと試したくなりました。じゃあ、次はセピア! これまた3種類の風味があって、何となく昭和のさまざまな年代っぽく写せる。モノクロも暗めから薄いのまで、ブログやウェブでどんな背景と組み合わせるか考えながらパシャパシャ撮ってました!
途中で気づいたのですが、トイカメラ機能のままビデオも録画できるんですね。ビデオの加工はパソコンでやるもんだとばかり思っていたので、ビックリ!
街の中にたたずむ電車も、車内も、こんなに写真を撮るのが楽しいって初めて思ったときのように、簡単で便利でみんなに優しい1台。もっともっとたくさんの風景を、電車を撮りたいと、素直にそう感じました。
ミニチュアっぽく撮ってみたり、球体でまるっこくしてみたり(編注:アートショット機能の「宙玉」)、思わずにんまりしてしまいました。電車に乗りながらこんなに楽しめるとは!
感動を誰かに伝えたい。今すぐ伝えたい!
でも、カメラだとパソコンにデータを移してからじゃなきゃ。。。
No, それは今まで。これからは違う! なんとこの子にはWi-Fi機能があり、カメラで撮った画像をすぐにスマホに送れる! ブログやツイッターなどにも簡単にその場でアップできてしまうんです。
それにまた感動した私、すぐにアプリ(編注:EXILIM Remote)をダウンロードして試してみました! 欲しい写真を選んでアプリに送る。それをそのままツイッターにアップ! キレイに簡単に、ものの5分かからない程度でできました!
すごい♪ 時代のニーズにピッタリだ。カメラが欲しいと思っている友達にも伝えよう。私もこの子と一緒に旅をしてもっとたくさんの場面を写真にしたい。この子なら、いろんな私を演出できるはず。まだまだ写真は初心者だけど、楽しみながら上達していけそう!
次は何線に乗りに行こうかな・・・?