機能面での注目は、「ライブコンポジット(比較明合成)」機能を新搭載したこと。夜景を撮る際に、複数のカットを自動的にカメラ内合成し、星や花火、蛍の動き、車のライトなどを光跡として記録するモードである。通常の長時間露光による夜景撮影とは異なり、画面周辺にライトアップされた建物などを写し込んだ場合でも、建物側が露出オーバーにならず、星の光跡と建物の両方をバランスのいい明るさで撮影できることが、このモードの大きなメリットだ。

【左】ライブコンポジット機能で撮影。1コマの露出時間を5秒にセットし、40分間撮影したもの。光跡が途切れているのは曇り空で、途中で何度か星が雲に隠れたため 【右】同じくライブコンポジットによる作例。こちらは露出時間を15秒にセットし、60分間撮影。レンズは「フィッシュアイボディーキャップレンズ BCL-0980」を使用

しかも、ライブコンポジット機能の使い方は簡単。いったんセットして撮影を開始すれば、合成された状態の画像が液晶モニター上にリアルタイムに表示され、光の軌跡が刻一刻と変化していく様子を目で確認できる。そして、ちょうどいいと感じた瞬間にストップすれば完成である。

E-M5にはなかったWi-Fi機能を新搭載したことも、撮影の自由度を広げるポイントだ。スマホからの遠隔操作やスマホへの画像転送が手軽に行える。そのほか、一画面に複数の写真を組み合わせて記録できる「フォトストーリーモード」や、動画と静止画の両方を同時に記録するフォトインムービー機能も搭載する。

ライブコンポジットの設定画面。1コマの露出時間を設定するだけでいい

Wi-Fiの接続準備画面。QRコードを使って素早く設定できる

「フォトストーリーモード」のメニュー画面。1画面に複数の写真を配置して記録できる

撮影モードは、フルオートからフルマニュアルまで9モードが用意される。絞りやシャッター速度、露出補正は、ボディ天面にある2つのコマンドダイヤルでダイレクトに調整でき、感度やホワイトバランスなどの詳細機能は好きなボタンに割り当てられる。豊富なカスタムメニューによって、カメラの機能と操作性を細かく変更できることは、同社ミラーレスに共通した特長だ。設定項目が多すぎて初めてのユーザーはやや戸惑うことがあるかもしれないが、自分の撮影スタイルに応じてカスタムメニューをきっちり設定しておくことは、本モデルを使いこなすコツといっていい。

Fnボタンや十字キーの割り当て機能は、自分の使い方に応じて細かくカスタマイズできる

電源は、リチウムイオン充電池「BLS-5」。E-M5やE-M1の電池とは異なる。撮影可能コマ数は約320枚

ファインダーには、約144万ドットのアイレベル式液晶ビューファインダーを搭載する

新発売の単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」を装着した状態。ホールドバランスは良好