東亞合成と独ヘレウスの電子材料事業部は3月24日、透明導電高分子(PEDOT)「Clevios」を不可視にパターニングできる技術を開発し、ライセンス契約を締結したと発表した。

今回の開発には、互いの専門知識を持ち寄り、新たな成長に結びつく新しい製品やビジネスを開拓するという目的が込められているとのことで、ヘレウスの先端材料と、東亞合成の応用技術に対する深い知識を合わせ込むことにより、付加価値をもたらすだけではなく、次世代に向けた優れた技術を創造していくと両社では説明している。

ヘレウスのPEDOT:PSSをベースとする高導電性高分子「Clevios」とポリマー不活性剤「Clevios Etch」は、タッチパネルやタッチセンサなど、透明でフレキシブルな用途に用いられている。特に、ITOはスパッタリング法を用いるため、ターゲット材料の原料である金属相場の変動による影響を受けてしまうことから、その代替材料として注目を集めている。また、「Clevios」は、より経済的な印刷技術を用いて成膜することができ、安定した価格で提供することができる。シート抵抗値は100Ω/sqを達成しているという。

一方、東亞合成は、導電性ポリマーフィルム用パターニング薬剤「CLEARIMAJU」の開発を行っており、すでに不可視なパターニングを可能にする試験をタッチパネル向けに開始しているとしている。