そしてミッション2は8個のブロックを使うのだが、ヒントはその内の5個まで記されている(画像9・10)。説明の回路図とヒントの電子ブロックの回路図が向きなどが近いので、何が欠けているの照らし合わせやすい。こちらは中学1年生レベルだそうである。電子ブロックminiのケースとつないだ2つのリード線の金属端子をつまむことで、体が回路の一部となって電気が流れてLEDが点くという内容である。ここまでは、このイベントに参加するような理数系が好きな子たちならそれほどでもない。実際、判定のために複数のチームが待っているような状態だった。

画像9(左):ミッション2「人間スイッチでLEDは光る?」の説明。画像10(右):同じくヒント

しかし、さすがにミッション3はちょっと手強い。電子オルガンを作るのだが、山場がいくつもある。まず回路図がミッション2までと比べると少し複雑だ。しかも、ヒントも難しくなっていて、4個が隠されているという具合(画像11・12)。さらにヒントは電子ブロックのための回路図なのだが、説明の回路図とはちょっと見た目が異なるので、照らし合わせるのに少し時間がかかるはず。

画像11(左):ミッション3の「電子オルガンで「かえるのうた」を奏でよう」の説明。画像12(右):同じくヒント

また、「かえるのうた」を演奏しなければいけないのだが、楽譜はないので記憶を頼りに演奏しなければならないのだ(ただし、うまい下手は問われない)。しかも、音程を変える仕組みを作るのもこれまた難しい。まず、説明用紙の一部に2Bの鉛筆で黒く塗りつぶすよう指示されている横長のマス目があるのだが、それを均等に真っ黒になるまで塗る必要がある。これがまずちょっとしたコツが必要だ。

なんのためにマス目を塗りつぶしたかというと、ここに電子ブロックminiの付属品である2本のリード線の金属端子(もちろん、反対側は正しく電子ブロックminiのケースにつながっている)を当てることで回路をつなげ(鉛筆のグラファイトは導電性がある)、電気を流してスピーカーを鳴らすためだ(画像13)。

端子と端子の間の距離を変えると、グラファイトを伝わる距離の変化により抵抗も変化するので、それによって音程が変わるという仕組みである。当然ながら、ピアノやリコーダーなどのように、きっちり「この距離でドの音」といった目印がないので、耳が頼りにはなってしまう。

画像13。こんな感じで演奏する

なお、ミッション1から3まで、実際に試してみたいと思った人は、電子ブロックminiを購入して遊んでみることをオススメしたい。実は解答も付属のムックの中に紹介されているので、ご安心を。ちなみに筆者も挑戦してみたが、電子回路の知識は中学の技術でラジオ製作して以来なので、ノーヒントだとすぐには無理だったことを告白させていただく。ミッション1、2はなんとかなったものの、ミッション3は…といった具合だ。それでもサイエンスライターかというツッコミが入りそうだが、筆者の得意分野は自然科学系で、最も得意なのは天文や宇宙論とかなので、技術系はちょっと…とイイワケをさせていただく(汗)。