以上を踏まえると、iPhone 6は普及路線よりもむしろ「高級志向」を目指している可能性が浮かび上がってくる。通信チップでの対応周波数や規格拡大は中国などの地域での利用も想定しており、こうした市場にも高級路線で売り込んでいくことになるのかもしれない。現在、サファイアクリスタルは主に高級品の腕時計等で利用されることが多く、iPhoneの新機能としてこうした点をアピールしてくる可能性がある。

また前述iWatchについても、同様に「デザイン性を重視した最新鋭デバイス」「高級感溢れる作り」といった点をセールスポイントに、実用性以上に所有欲を刺激する作りを狙ってくるのではないかと推測する。ライバル各社のウェアラブルデバイスに対する厳しい評価が続くなか、機能的にはさほど変わらないデバイスに対して付加価値をどのようにつけてくるかを考えれば、こうした方向性の模索も不思議ではない。

最後に機能面の予測だが、ここまでの情報から推測するに、おそらくiPhone 6に盛り込まれるハードウェア的な新機能はほとんどない可能性が高い。むしろ、iWatchのような外部ハードウェアが「iPhoneの新機能」として扱われるのではないだろうか。

iPhone 6そのものについては、まず部品原価上昇で追加する余地があまり考えられないこと、そして現行のシャーシを維持したとすれば、やはりNFCのような機能を内蔵する可能性もあまり想像できないからだ。Touch IDの活用法については興味を惹かれるものの、少なくともNFCを内蔵してのタッチ&ペイのような仕組みは入らず、そのような実験が行われている話も全然聞こえてこない。

だが、Bluetooth LE (iBeacon)やクラウドペイメントを組み合わせたサービスを裏で準備しているという話はあり、これを今年後半以降に何らかの形でアピールしてくる可能性はある。その意味ではハードウェアよりも、周辺サービスをどのように拡充してくるかのほうが注目ポイントかもしれない。