撮像素子には、有効1,310万画素(アスペクト比4:3の場合)の1.5型のCMOSセンサーを搭載する。前モデルのセンサーをベースにしつつ、新しいレンズとエンジンに合わせてチューニングを加えたセンサーだ。1画素あたりの受光面積は、高級コンパクトデジカメで採用されることが多い1/1.7型センサーと比べても約4.5倍もあり、より多くの光を取り込めるようになっている。

実写では、ノイズが目立たない高感度性能と濁りのないクリアな発色に好印象を受けた。今どきの基準では画素数は特に多いとはいえないが、撮った写真を見ると、被写体の色や質感、立体感をリアルに再現できていることが分かる。

発色のカスタマイズ機能としては、「くっきりカラー」や「すっきりカラー」など11タイプから選べるマイカラー機能を従来モデルから継承する。また、さまざまなエフェクトを加えるクリエイティブフィルターや、広階調の画像に仕上げるダイナミックレンジ補正、暗部補正なども引き続き搭載する。ただ、これらの機能は記録フォーマットにJPEGを選んだ場合にしか適用できないのが、個人的にはもの足りなく感じる部分だ。RAW+JPEGモードを選んだ場合のJPEG画像にも適用可能にしてほしいところ。

トータルとしては、コンパクトなボディに高機能を詰め込んだモデルとして、バランスよくまとまっている。特に、1.5型の大型センサーと光学5倍の大口径ズームの融合は、ほかにはない魅力である。また、長らく「Powershot G」シリーズの伝統だった光学ファインダーを思い切って省き、ファインダーをオプションのEVF対応にしたことも、使い勝手を高める改良といっていい。

詳細な機能については改めてレポートしたい。

撮影モード:マニュアル(F16 1/125秒) 露出補正:±0 感度:ISO100 WB:晴天 焦点距離:12.5mm(原寸大画像を見る)

撮影モード:絞り優先オート(F6.3 1/200秒) 露出補正:±0 感度:ISO100 WB:晴天 焦点距離:62.5mm(原寸大画像を見る)

撮影モード:絞り優先オート(F5 1/25秒) 露出補正:-0.3 感度:ISO800 WB:オート 焦点距離:24mm(原寸大画像を見る)

撮影モード:絞り優先オート(F4.5 1/20秒) 露出補正:+0.3 感度:ISO400 WB:オート 焦点距離:34.3mm(原寸大画像を見る)

撮影モード:絞り優先オート(F13 1/320秒) 露出補正:-1 感度:ISO100 WB:晴天 焦点距離:12.5mm(原寸大画像を見る)

撮影モード:絞り優先オート(F8 1/250秒) 露出補正:-1.3 感度:ISO100 WB:晴天 焦点距離:33.7mm(原寸大画像を見る)

撮影モード:絞り優先オート(F4 1/60秒) 露出補正:±0 感度:ISO250 WB:晴天 焦点距離:13.5mm(原寸大画像を見る)

撮影モード:絞り優先オート(F4 1/640秒) 露出補正:±0 感度:ISO100 WB:晴天 焦点距離:12.5mm(原寸大画像を見る)

※ 本稿は発売前の試作機を利用して作成されております。そのため、製品版とは異なる場合がある旨、ご了承ください。