説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「プッシュ」と「フェッチ」はどう違うの?』という質問に答えます。
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かんたんにいうと、クラウド(インターネット上のサーバ)側の判断でこちらへ知らせることが「プッシュ」、ユーザ側の判断で情報を取りにいくことが「フェッチ」です。どちらにも一長一短ありますが、スマートフォンならではの便利さでいえばプッシュが上といえるでしょう。
プッシュ対応のサービスは、知らせるべき変化が発生次第ユーザに対し通知します。メールの着信、スケジュールに関連したイベントの発生や変更といった情報を、ほぼリアルタイムに把握できることが最大のメリットです。一方、通知をリアルタイムで受けるためにはiPhone側で対応プログラムを常時稼働させておかねばならず、ときおり動作するだけのフェッチ方式に比べるとバッテリーを消費します。
フェッチ方式のサービスは、15分、30分といった間隔でサーバに問い合わせる(フェッチする)処理を行います。そのため、フェッチするタイミングでなければ変化を知ることができず、リアルタイム性に欠けます。しかし、対応プログラムを常時稼働させておく必要がないため、プッシュ方式に比べるとバッテリー消費量を抑えられます。
ただし、インターネット経由で提供されるすべてのサービスがプッシュ方式でのデータ提供に対応しているわけではありません。メールでいえばiCloudメールや携帯電話会社のメール(キャリアメール)、カレンダーでいえばiCloudに含まれる「カレンダー」や「Googleカレンダー」がありますが、インターネットサービスプロバイダのメールサービス(POP3タイプ)はそのほとんどがプッシュ方式に対応していないため、フェッチ方式でチェックすることになります。