米Bayhubは、13日から16日まで開催されたカメラ展示会「CP+2014」にて、SDHC/SDXCメモリカードにおける、高速なバスインタフェース規格「UHS-II」に対応したホストコントローラICのプレゼンテーションを行った。このホストコントローラICとは、デジタルカメラなど、SDHC/SDXCメモリカードを読み書きする機器に実装されるチップのことだ。

Bayhubは、米国、中国、日本などに拠点を構えるファブレス半導体企業。今回の発表では、BayhubのMarketing & Engineering Managerである赤木勝俊氏が登壇し、同社が2011年にリリースした世界初となるUHS-II対応のホストコントローラICを紹介した。

BayhubのMarketing & Engineering Managerである赤木勝俊氏

Bayhubの概要

UHS-II規格は、最大転送速度312MB/秒の高速なバスインタフェース規格。UHS-II対応のSDHC/SDXCメモリカードは、カード背面のピンレイアウトを通常の1列から2列に変更し、UHS-Iの約3倍となる転送速度を実現した。2月15日には世界初のUHS-II対応デジタルカメラである富士フイルムの「FUJIFILM X-T1」が発売された。

画像右側がUHS-II対応のSDカード。背面のピンレイアウトが2列になっている

最大転送速度は312MB/秒で、UHS-Iの最大転送速度104MB/秒の約3倍となる

Bayhubが開発したのは、USH-II対応SDHC/SDXCメモリカードを、USH-II対応として読み書きするために必要なホストコントローラIC。Bayhubの赤木勝俊氏は同社製ホストコントローラICがPCやカメラなど様々な機器に採用されているとし、「弊社はUSH-II規格対応のホストコントローラICベンダーとして業界をリードしている」とコメントした。

Bayhub製のホストコントローラICは、デジタルカメラやビデオカメラなど様々な機器に採用されている

接続インタフェースの基板回路。青い矢印で示している小さなチップがホストコントローラIC

USH-II対応のSDカードと、USH-I規格のSDカードのファイル転送時間を比較

続けて同氏は、産業用カメラを用いて、USH-II対応メディアとUSH-I対応メディアの画像取り込み性能を比較したデモを紹介した。デジタルカメラは記録スピードの速いSDメモリカードを使用した方が、1秒あたりに記録できる写真数が多い(カメラの性能にもよるので一概には言えないが)。そのため、今回紹介したデモでもUSH-II対応メディアを利用した時の方が、多く写真を記録できていた。

産業用カメラを用いた画像取り込み性能の比較。記録スピードの速いUHS-II対応SDカードの方が、UHS-I対応SDカードに比べて、記録スピードが速くなる

キャプチャできたゴルフスイングの数をみると、UHS-I対応のSDカードでは捉えられなかった瞬間をUHS-II対応のSDカードでは記録できることが分かる

なお、Bayhubは「CP+2014」のSDアソシエーションブースにて、同社製ホストコントローラICの展示や、USH-II対応SDカードの転送速度を体感できるデモなどを実施した。

USH-II対応ホストコントローラICの基板回路が展示されていた

転がしたビー玉を連写し、記録できた写真数を比べることで、UHS-II対応メディアとUHS-I対応メディアの違いが分かる。当然だが、UHS-II対応メディアの方が写真を多く記録できていた

上段にあるファイルはUHS-I対応のSDカード、下段にあるファイルはUHS-II規格対応のSDカードで撮影した写真

体感デモの説明をブースの液晶ディスプレイで流していた