X-Rite(エックスライト)社は、色見本帳で国際的に有名なPANTONEを傘下に収める測色機器メーカーだ。CP+2014ではカラーマッチングシステムのほか、ファインアートプリントに必要な「紙」のカラープロファイルを主に紹介していた。

測色機器らしく?、ブースの壁面の片方は色見本だらけ

デジタルカメラで撮影したデータを「作品」として仕上げるためには、プリンタや印刷による出力が不可欠だが、作者が意図した通りの出力になるかどうかが重要になる。編集を行う液晶ディスプレイをカラーキャリブレーションし、正確な色調で表示できるようにする一方で カラープロファイルが用意された用紙を使えば、意図したイメージで出力が可能だ。

ファインアートプリントのために、用紙メーカーのサンプルに色見本を印字している。メーカー提供するカラープロファイルを使ったり、あるいはユーザー自身でカラーキャリブレーションを行ってカラープロファイルを作成し、意図通りの出力を行う

キャリブレーションツールの「colormunki PHOTO」。液晶ディスプレイのキャリブレーションだけでなく、プリンタのキャリブレーションも可能だ

CP+2014の「フォトプリントメディアゾーン」では、いくつかの企業がファインアートプリントをテーマにした展示を行っており、エックスライトもかなり力を入れていた。説明員によると、カラーイメージよりもむしろモノクロのほうがこのプロファイルが重要になるということで、かつて写真部で暗室にこもっていた過去を持っていたので、ネオパンなのかTRI-Xなのか、月光の何号で引き延ばすかとやっていたのを思い出してしまった。

ほか、液晶ディスプレイとのカラーマッチングを行う機器(キャリブレーター、測色機)や、写真撮影時にホワイトバランスやカラーバランスをチェックするための「ColorChecker Passport」なども展示していた。撮影時にチャートを撮影することで、補正のための高精度なデータを得ることができる。

ファインアートプリントを行うためには、液晶ディスプレイだけでなくプリンタと用紙を含めたキャリブレーションが必要

ロケ撮影では必須ともいえるカラーバランスチェック用の「ColorChecker Passport」。ケース入りなので汚れにくく便利だ