富士通のタブレットといえば防水、お風呂で使えるというイメージが定着しつつある。今回レビューする「ARROWS Tab QH77/M」もIPX5/7/8準拠の防水性能とIPX5準拠の防塵性能を持つタブレット、いや2in1 Ultrabookだ。

製品名に「ARROWS Tab」を冠しているように、タブレットとしての利用に軸足を置いているQH77/Mだが、標準で着脱式のスリムキーボードがセットになっており、デタッチャブル式のUltrabookとして分類されている。液晶ディスプレイは12.5型、CPUにIntel Core i5-4200Uを搭載するなど、スペックからもカジュアルなタブレットには収まらない性格が見て取れる。

同社のWindows 8.1タブレットには10.1型液晶とIntel Atom Z3770を搭載した「ARROWS Tab QH55/M」もある。また、2013年秋冬から同じくBay Trail-T世代のAtomを搭載した8型のWindows 8.1タブレットが人気を集めているが、QH77/Mはそれらとは違った、ビジネス志向の雰囲気も感じられる。

同社による完全水没デモ。冷却ファンを搭載しているのに問題なく動く!

ちなみに、同社の直販サイト「WEB MART」で販売しているカスタマイズモデル「ARROWS Tab WQ2/M」は、タブレット単体としての構成を基本としており、スリムキーボードはオプションで追加する形となっている (直販価格は148,750円~)

■[製品名] ARROWS Tab QH77/M 主な仕様 [CPU] Intel Core i5-4200U (1.60GHz) [メモリ] LPDDR3-1600 4GB (2GB×2) [グラフィックス] Intel HD Graphics 4400 (CPU内蔵) [ディスプレイ] 12.5型ワイド液晶 (1,920×1,080ドット、タッチパネル) [ストレージ] 128GB SSD [サイズ/重量] W309.6×D199.3×H11.9㎜/約980g (タブレット単体)、W309.6×D212.7×H20.0mm/約1.67kg (スリムキーボード接続時) [バッテリ駆動時間] 約16時間 (タブレット単体)、約13時間 (スリムキーボード接続時) [OS] Windows 8.1 64bit [店頭価格] 205,000円前後

余裕のある液晶サイズとキーボードレイアウト

QH77/Mのタブレット単体でのサイズはW309.6×D199.3×H11.9㎜で、重量は約980g。片手で持つには苦しい重量だが、底面積はA4ファイルよりもひと回り小さく、鞄に収納しやすい。液晶のサイズは12.5型で解像度は1,920×1,080ドット。タブレットとしては大画面の部類となる。

このボディサイズがもたらすメリットとして、キーボードの打ちやすさがある。QH77/Mのスリムキーボードは、キーピッチ約19mmとレイアウトに余裕がある。また、タブレットと合体させたときの本体厚で20mmという薄さながら、約1.7mmのキーストロークが確保されている。文字キーの大きさは均等で、この手のキーボードとしては十分に満足できる打鍵感だ。

本体にあたるタブレット部分の重量に対して、スリムキーボードが軽いため、キーボードの後ろをせり出して設置時に安定感を与えるユニークな設計を採用している。ヒンジの左手前に着脱ボタンを備えており、片手でタブレットとキーボードを着けたり離したりできる。

キーボードの後ろを伸ばして後ろに倒れるのを防ぐ。目いっぱいの155度まで画面を開いても問題ない

レイアウト、ピッチ、ストロークとも良好なキーボード。パームレストにはヘアライン加工が施されている