KDDIの田中孝司社長は22日、新商品発表会で「Firefox OS」搭載スマートフォンについて「来年度中に発売したい」とコメントした。

質疑応答で記者団の質問に回答する、KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏(写真左)とプロダクト企画本部長の小林昌宏氏(写真右)

新商品発表会の質疑応答の段で、Firefox OS搭載スマホについて開発の進捗状況を聞かれた田中社長は、同席した小林氏に「今年、発売したいと思っているんですよね」とマイクを通さずに小声で確認。その後で「来年度内に発売したいと思っており、いま開発を進めています」と正式に回答した。

Firefox OSを投入する狙いについては「他のOSとは、また違った世界を提案できればと思っています。他社とは違うau、auらしさ、といったものを大切にしていきたいと思っています」とコメントした。

囲み取材に応じる田中社長

囲み取材では、NTTドコモが開発を進めてきた新OS「Tizen」に絡めた質問があがった。NTTドコモでは先週、Tizen搭載スマホの導入を当面見送る方針を明らかにしている。記者から「NTTドコモがTizenを見送った理由には、スマートフォン市場が飽和しつつあること、時期が悪いことなどが指摘されています。そうした環境はauにとっても同じだと思いますが」との質問があがると、田中社長は「Firefox OSを搭載したスマホはもう開発されていて、いつ発売するかという段階になっています。それに、NTTドコモさんとは少しスタンスが違っているように思います。というのもiOS、Androidがあり、(第3のOSとして)Firefox OSがあるのではなくて、私たちはFirefox OSならではの差別化要素を活かして、ギーク層(熱心な愛好家)にドカンと響くものを狙っています。ちょっと変なことやりますので、楽しみにしていてください」と意味深に笑った。

「Firefox OS以外のOSについては」「Windows Phoneが発売されてから2年が経過しており、乗り換え先に困っているユーザーがいると思いますが」との質問には、「いろいろ検討しています。ただ、いまお約束できることはありません」と答えるにとどまった。