パナソニックは15日、同社製ノートPC「Let'snote」の2014年春モデルを発表した。

12.1型ドライブ搭載ノートPC「Let'snote SX3」や14型ノートPC「Let'snote LX3」、回転型の2in1 PC「Let'snote AX3」新製品などが発表されたが、中でも注目されたのは、光学ドライブ搭載ながら12.5型以上のコンバーチブルPCで世界最軽量をうたう(※)新シリーズ、12.5型コンバーチブルUltrabook「Let'snote MX3」だ。

同社は新製品の発表に合わせてLet'snote MX3の発表会を開催。Let'snoteの基本性能である「軽量」「長時間駆動」「高性能」「頑丈」に加え、「2in1」である点、そして「光学ドライブ搭載」である点を強調した。発表会では、同社ITプロダクツ事業部の原田秀昭事業部長や、インテル代表取締役の江田麻季子社長ら関係者が登壇し、Let'snote MX3をアピールした。

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パナソニック、光学ドライブ搭載で世界最軽量の「Let'snote MX3」

Let'snote MX3発表会

Let'snote MX3は、ディスプレイを背面に向かって回転させることでタブレットに変形する。液晶はタッチパネルで、バッテリのホットスワップにも対応する

2in1で光学ドライブを載せた「究極のハイブリッドモバイル」

Let'snote MX3は、Let'snote AX3のようにディスプレイを背面に向かって回転させることでタブレットに変形する2in1 PC。カーボンで発泡剤を挟む3層サンドイッチ工法を天板用に新開発するなどして、堅牢性を確保しつつ軽量化を進めた結果、12.5型液晶と光学ドライブを搭載しながら、重量を約1.198kgに抑えている。

パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部の原田秀昭事業部長

発表会で登壇した原田事業部長は、PCを取り巻く市場環境が変化する中でも同社のPC事業は前年比で成長しているとした上で、「Let'snoteはユーザーの声とともに進化してきた。1台2役の2in1 PCにドライブ内蔵の要望が多い。『2in1』という新提案に加え、今日、『光学ドライブ』というもう1つの提案で、仕事の効率化をサポートする」と力強く述べた。

市場での光学ドライブ内蔵のニーズ

2in1であるAXと光学ドライブ搭載のSX、人気モデルを統合したのがLet'snote AX3

ナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部 テクノロジーセンター レッツノート総括参事の坂田厚志氏

同社ITプロダクツ事業部 テクノロジーセンターの坂田厚志レッツノート総括参事は、Let'snote MX3の特徴を紹介。また、商品企画チームの井上剛志氏は、Let'snote MX3を「ビジネスに必要な機能を凝縮した究極のハイブリッドモバイル」と称し、開発背景や具体的な想定利用シーンを解説した。

Let'snote MX3の開発背景は、「2in1 PC」と「光学ドライブ」のニーズという。「Windows 8ローンチのタイミングでLet'snote AX3を世に送り出したが、思っているよりもタブレット利用が普及している」一方で、PCをあえて選ぶのは、キーボードによる生産性の高さであり、ビジネスでは特に光学ドライブのニーズもあるという。そこで今回「ハイブリッドスタイルで、光学ドライブを搭載した『全部入り』のモバイルPCを開発した」(井上氏)。

開発にあたり、特に苦労した点は「軽量化」。Let'snote MX3では、Let'snoteシリーズでも採用されているボンネット天板にて、発泡材をカーボンで挟みこむ3層構造を採用し、約14%軽量化しながら強度を維持した。また、本体素材にカーボン強化マグネシウムダイカスト合金(UHD合金)を新採用。これは「設計者みずからが開発メーカーに行き、共同で試行錯誤し素材を作り上げた」というもので、これにより面強度を確保している。

本体素材は新規にカーボン強化マグネシウムダイカスト合金(UHD合金)を採用し、薄肉化した上で、必要な面強度を確保している

天板ではカーボンで発泡剤を挟む3層サンドイッチ工法を開発

Let'snote MX3の内部構造

ボンネット天板では発泡材をカーボンで挟みこむ3層構造を採用し、天板部で約14%軽量化した

きょう体素材は新しくカーボン強化マグネシウムダイカスト合金(UHD合金)を採用

トレー型ドライブは、ケースに小型の丸穴を複数開けることで約34g軽量化している。丸穴による軽量化は、2013年秋冬モデルで新登場したLet'snote LX3でも採用した

内部のファンも薄型仕様

バッテリは自社開発の高容量のもの

他のLet'snoteシリーズと同じく、100kgf加圧振動試験や76cm落下試験をクリアしている。Let'snote発表会でもお馴染みの、モデルさんによる耐加圧デモンストレーションも披露された

2in1 PCならではの「姿勢制御ドライブ」「ペン先2mmの静電ペン」

このほかの大きな特徴の1つが「光学ドライブの搭載」だ。2in1 PCにおける光学ドライブ搭載にあたって、キーボード面側に加速度センサーを備え、90度/180度/270度など一定角度以上に傾けるとドライブの傾きを検知し、メディア再生の回転を遅くする機能を設けている。この機能により、クラムシェル状態からタブレット状態にしても、DVDの再生を止めずに使用できる。

2in1 PCならではの機能として、光学ドライブに姿勢制御を組み込んだ

DVD再生のデモ。クラムシェル状態からキーボードを180度後方に回転させても、DVDのはスムーズに再生していた

また、Let'snote MX3では、ペン先2mmの静電容量方式対応ペンが新開発されている。「2in1ではペンのニーズがあると認識した」ためで、本体側のタッチセンサーでは1ラインのセンシング(センサーによる計測)でなく、複数ラインのセンシングを行い、センサーのピッチの幅を狭小化することで、ペン先2mmという細ペンが利用できるという。

レッツノート総括参事の坂田氏は、「Let'snote事業はユーザーの困りごとを解決しながら進化してきた。Let'snoteの4大性能を基準にしながら、今後もユーザーの声を聞き、新しいITツールを提案していきたい」と締めくくった。

ペン重量は約5g。「自然な操作感で記録を残せる」とし、ビジネスでは例えばパワーポイントに手書きで修正するなどの使用法が可能

落下防止用のストラップをオプションで用意

タブレット状態にした場合、キーボードの表面が背面にくるため、専用のキーボードカバーも用意

バッテリはホットスワップに対応し、バッテリ交換時でもPCをシャットダウンする必要がない

インテル代表取締役の江田麻季子社長も登壇し祝辞を述べた。今後、ネットに接続するデジタル機器は急増し高性能化・省電力化が求められる。Let'snote MX3はPCエクスペリエンスとモビリティの分野の製品で、ユーザーの新たなニーズに応えられ、今まで以上に業務が効率化するとコメントした

Let'snote MX3 画像ギャラリー

松田翔太のプロモーション映像

Let'snote MX3の広告キャラクターは同シリーズでお馴染みの松田翔太が務める。松田翔太はビデオメッセージで「薄いボディに光学ドライブを搭載しても、世界最軽量という軽さに驚いた。ぜひ体験して欲しい」と語った

※2014年1月15日現在、同社調べ