音声認識や人工知能でおしゃべりをするコミュニケーション機能を備えたユニークなロボット掃除機として、世の中にインパクトのあるデビューを飾った「COCOROBO(ココロボ)」。そんな中でも「RX-V90」はスタンダードモデルと称される機種だ。現時点では5万円台前半で売られている。

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【左】他機種よりひと回り小さな直径30.4cm。椅子の下など、幅の狭い隙間にも入り込んでいけるサイズだ 【右】本体同様、充電台を含めても小ぶりで待機時も省スペース。ACは充電台の中に収納でき、お手入れ用のブラシやリモコンもコンパクトにまとめて収納しておける

他社製品との最大の差別化ポイントは、そのサイズ。直径30.4cmと、ロボット掃除機の主流(35cm前後)よりもひと回り小さく、国産メーカー製らしく日本の住宅事情に合わせたモデルに仕上げられている。ただし、直径がコンパクトになり小回りが利く反面、高さは9.9cmとわずかに高さくなってしまったが、家具下の平均的高さとされる10cmを下回ることにはこだわった。

産業用ロボットから転化して生まれたルンバに比べると、操作性や運転の仕組みそのものは本来の掃除機的な発想の延長上にあり、それを自動化させた機種という印象。そのため、床用の回転ブラシにも柔らかいナイロン製の素材を使用して床を傷めないように配慮されていたり、センサーで床材を感知してパワーを制御したりという、日本製品らしい心遣いが随所に見られる。運転音はスペック表で公開されていないが、一般的なルームクリーナー程度といった印象。モーター音に加えて、走行時に発生する機械的な動作音が目立つルンバに対して、COCOROBOは吸引時のモーター音が中心だ。

【左】前方2カ所のエッジブラシでゴミを掻き出し、真ん中のブラシが回転しながらゴミを吸い込んでいく。一般的な掃除機のヘッドブラシと似た仕組みだ 【右】ダストボックスは取っ手を引き上げてフタを開け、中身を捨てるだけと扱いやすい。目の細かいHEPAフィルターを採用し、排気に吸い取ったゴミを極力漏らさない。フィルターを含めて丸ごと水洗いも可能だ

障害物線センサーは超音波センサーも備え、透明なガラスや色の濃い家具や建具も認識して避けることができる。部屋が狭い人や、家具間のスペースが狭い環境で特にオススメの機種だ。

動画

一般の掃除機のようなウィーンというモーター音が響くCOCOROBO。障害物への衝突は比較的穏やかだが、時々強く当たると「イテテテ……」としゃべる姿に気が和んで許せてしまう。進行方向は比較的直進が多いが、本体がグルグル回転しながら走行する印象がある(動画を再生するにはここをクリック)