ピクスタは、同社の写真・イラスト・動画の素材販売サイト「PIXTA」にて2013年に最も多くダウンロードされた写真トップ5を発表し、そこから読み取れる「2013年の世相」についての分析を公開した。集計期間は2013年1月1日~12月15日。

1位(左)、2位(右)の写真素材

2013年の"ダウンロード数が多かった写真トップ5"のうち、4点が「家族写真」という結果となった。家族写真は汎用性が高いため例年人気は高いが、2013年のダウンロード数は前年比1.5倍に増加している。中でも、リビングで寝そべる家族の写真や食卓を囲む家族、ソファーでくつろぐ家族など「暮らし」や「団らん」を感じさせる写真がヒットした。

その一方で、家族写真と同様に前年比1.6倍といったダウンロード数の伸びを見せたのは「住宅関連」の素材。マンションや一戸建ての外観のみならず、リビング、バスルーム、トイレなどの写真素材のダウンロードが増加している。2013年は景気上昇の気配と共に不動産業界が活気づいており、特にマンション市場は好調で、10月に2014年4月からの増税が決定すると駆け込み需要で一層の盛り上がりを見せた。同社は、こうした2013年の動きを背景に、住宅関連素材と家族の団らんの様子をとらえた素材を組み合わせて「理想の暮らし」を喚起させるイメージ写真の需要が高まったと考察している。

左から3位、4位、5位の写真素材

また、2013年6月に世界遺産に登録され、富士登山ブームを巻き起こした「富士山」の写真は、前年比2倍の伸びとなった。世界遺産登録の翌月である7月のダウンロード数は前年同月比の3.6倍にもなり、間違いなく今年を象徴するムーブメントを巻き起こしたとのこと。

そのほか、ダウンロード数トップ5には入らなかったものの、「働く女性」イメージの写真が前年比3.8倍とニーズが増加した。アベノミクス3本の矢のひとつとして「女性が輝く日本」が掲げられ、女性のキャリアや育児と両立した働き方などが注目されたことを背景に、若い夫婦の親子や保育園の子どもたちの写真素材とともに、女性がいきいきと働く姿をイメージさせる写真素材の人気が上昇。特にスーツに身を包んだビジネスウーマンの需要が高まったということだ。

写真提供:PIXTA