東芝は3日、リテールやデータセンター向けのSSD事業の強化を目的に、米国の大手SSDメーカーであるOCZ Technologyを買収すると発表した。米国時間の12月2日付けで、OCZ社が米連邦破産法11章(チャプター11)に基づく申立てを行い、東芝とSSD事業に関する資産譲渡契約を締結した。

両社の発表によると、買収額は3,500万ドルで、本日の為替レートでは日本円で約36億円となる。本件買収が成立した場合、OCZ社のSSD事業における技術開発資産、知的財産、製品、販売網をすべて東芝が取得する。東芝の強みであるNANDフラッシュの技術と、OCZ社が高い実績を持つリテールやデータセンター用途SSDを組み合わせることで、SSD事業の競争力を強化する狙いがある。

OCZ社は先月末に、破産を申請する見通しであり、あわせて東芝から資産買収の提案があったことを発表していた(参考記事はこちら)。今回の両社の契約は、チャプター11を管轄する破産裁判所の承認を条件に、同法11章363条の規定に従って、オークションプロセスを経て完了する見通しだ。OCZ社は、米国カリフォルニアに本拠をかまえる2002年設立のSSDメーカーで、昨年度の売上高は3億3,400万ドル、従業員数は約450人。

OCZ社のリテール向けSSD製品。日本国内のPC DIY市場でも一定の評価を得ていた