映画『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたジェシー・アイゼンバーグらが出演する映画『グランド・イリュージョン』にて、グラフィックデザインを担当した日本人クリエイターがいることが明らかになった。

4人の“ザ・フォー・ホースメン”と名乗るスーパーイリュージョニストたちがラスベガスの会場から遠く離れたパリの銀行の金庫に潜む大金を強盗するという"トリック"を暴いていく同作。

この作品でグラフィックデザインを担当したのが、映画『アメイジング・スパイダーマン』(2012年)などの制作にも携わった竹之内真季氏だ。彼女は、イエール大学の芸術学科で学び、コマーシャル用の写真のセットデザインなどの広告デザイン関連の仕事を経て、映画制作に携わるようになったという。映画制作に関する仕事については、『ニューイヤーズ・イブ』(2011)や『恋とニュースのつくり方』(2010)などのプロダクションデザイナーであり、エミー賞を獲得しているマークフリードバーグ氏のもとで学んだそうだ。

同作では様々なシーンのグラフィックデザインの制作に携わったそうだが、なかでもニューヨーク市内で繰り広げられるカーチェイスのシーンについては「違った色や、手触り、そして臭覚までも一緒に織り込んだモザイクのようなニューヨーク市の雰囲気を楽しんでつくりだす事ができました」と振り返った。また、将来ハリウッドを舞台に活躍したいと考えている日本人の若手クリエイターに対しては「収入面で厳しくても、仕事の不安定さに悩むことがあっても、とにかく自身の情熱に従うことです。本当に映画製作が好きでやりたいと思うのであれば、それはとても価値のあることです」とアドバイスをおくった。

映画『グランド・イリュージョン』は現在公開中。

竹之内真季
1977年12月生まれ。東京都出身。1984年に父親の転勤により家族とともに渡米。1996年にイエール大学の生物学科に入学し途中で専攻を美術に変え、2000年に美術学科を卒業する。フリーランサーのアートブックデザイナー、印刷広告や編集写真撮影のための装置スタイリストセットデザイナーを経て、映画業界へ。プロダクションデザイナーとしてエミー賞を受賞したマークフリードバーグ氏の下で指導を受け、現在に至る。これまでにグラフィックデザイナーとして映画『アメイジング・スパイダーマン2 』の制作に携わっている。

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