ニコンは11月5日、デジタル一眼レフカメラ「Df」を発表した。クラシカルな、銀塩カメラライクのデザインに、プロ向けの一眼レフ「D4」と同じ撮像素子や画像処理エンジンを搭載。じっくりと撮影を楽しむような使い方を想定し、複数のダイヤルで操作するアナログ感のある操作性とした。

「Df」

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「Df」は、直線的なフォルムにシャッタースピード、ISO感度、露出補正、露出モード、レリーズモードなどの複数のダイヤルを備え、ペンタプリズム部や小ぶりのグリップにはレザー調のラバーを張り付けたデザインを採用。ニコンだけでなく、世界中のさまざまなカメラのデザインの要素を採り入れつつ、銀塩カメラのような雰囲気のカメラに仕上げた。

直線的なフォルム、レザー調の上質な仕上げ、メカニカルダイヤル、ファインダーと、アナログ環を重視したデザイン

小型軽量ながら、フルサイズのFXフォーマットセンサーを搭載した

撮像素子は、「D4」と同じ有効画素数1,625万画素FXフォーマットのフルサイズCMOSセンサーを搭載。常用ISO感度がISO100~12800、拡張設定でISO50やISO204800まで設定できる。画像処理エンジンに「EXPEED 3」を採用する点も「D4」と同じで、同社では「フラッグシップ機画質」を実現したとしている。

これにより、高感度低ノイズ、豊かな階調表現、自然な発色、シャープな描写といった、フラッグシップモデル並みの高画質な写真が撮影できる。

ボディはマグネシウム合金を採用したことで高い剛性を持たせつつ軽量化を実現。本体サイズは約143.5(W)×110(H)×66.5(D)mm、約710g(本体のみ)で、「D4」より400g以上軽く、FXフォーマット最軽量の「D610」よりも50g軽くなった。

「D610」よりも小さく、軽いボディ

質感の高い金属削り出しのメカニカルダイヤル

高い防塵・防滴性能、15万回の高耐久シャッターユニット、高速性を重視したシャッター・ミラー・絞り駆動機構、ガラスペンタプリズムを採用して視野率約100%を実現した光学ファインダーなど、高い基本性能を備えた。

シャシーはマグネシウム合金を採用し、強度と軽量性を両立させた

左右の肩にメカニカルダイヤルを配置

前面にもダイヤル類を搭載している

背面液晶は3.2型・約92万画素で、強化ガラスを採用。これもD4と同じものを利用。メニューのUI(ユーザーインタフェース)はD610相当で、ボディデザインに合わせてモノクロトーンに変更されたほか、表示パネルのバックライトにも初めてホワイトを採用した。

動画撮影機能や無線LANなどのデジタルならではの機能は「あえて省いた」(ニコンフェロー 映像カンパニー後藤研究室長・後藤哲朗氏)。「静止画撮影でも必要だと判断した」(同)ため、ライブビュー機能は搭載。テレビなどに表示するときに便利な16:9や、正方形の1:1のアスペクト比での目安線をライブビュー時に表示したり、画面上のスポットでホワイトバランスをあわせるスポットホワイトバランス機能などを搭載する。

本体背面。ライブビュー機能も搭載する。メニューのUIはD610系のデザイン

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