ニコンは6日、デジタル一眼レフカメラの新モデル「ニコン D4」を発表した。2月16日の発売で価格はオープン。推定市場価格は65万円前後となっている。なお本製品は、1月10日より米国で開催される「2012インターナショナルCES」で展示される。
同社製デジタル一眼レフの新フラッグシップとなるモデルで、新開発のニコンFXフォーマットCMOSセンサー(サイズは36×23.9mm)や、新画像処理エンジン「EXPEED 3」を搭載する。有効画素数は1,620万画素で、静止画のほかに1,920×1,080ドット(フルHD)/30fpsのMPEG-4 AVC/H.264動画を撮影可能。
FXフォーマットCMOSセンサーにより、さまざまな光の条件で高い解像感を実現する。また、EXPEED 3の搭載により、暗いシーンの高感度撮影でもシャープな輪郭とノイズの少ない画質を実現するとともに、タスクの高速処理や省電力も可能となった。
なお、D4ではシステム全体としての処理も高速化がなされており、CIPA準拠で約0.12秒の起動や、約0.042秒というレリーズタイムラグが実現されている。それとともに、次世代の記録メディアである「XQDメモリーカード」にも対応しており、RAW形式で10コマ/秒・最大約100コマの連続撮影が可能だ(ソニー製XQDメモリーカードH-series「QD-H16G」「QD-H32」使用時、画質モード:圧縮RAW/12ビット記録)。
さらに、新開発の91K(約91,000)ピクセルRGBセンサーが、撮影シーンの色や輝度の詳細解析を可能にし、オートエリアAF時に人の顔を認識しての合焦率を従来機より向上させている。また、この91KピクセルRGBセンサーは、AF、AE、i-TTL調光、AWBなどの制御精度のさらなる向上も実現。
その他の主な仕様は、レンズマウントはニコンFマウント、AFポイントは51点クロスセンサー、対応感度は常用でISO100~ISO12800だが、静止画撮影時はISO50相当~ISO204800相当への減感・増感が可能で、動画撮影時はISO200~ISO204800相当が利用可能。背面モニターは3.2型・約92万ドット液晶、利用可能な記録メディアはXQDカードとコンパクトフラッシュカード、サイズは約W160×D90.5×H156.5mm、重量は本体のみで約1,180g、バッテリーとXQDカードを含む状態で約1,340gとなっている。電源はリチウムイオン充電池。
本製品は同時に新開発のワイヤレストランスミッター「WT-5」(別売、希望小売価格:67,200円)に対応。WT-5はIEEE802.11a/b/g/nの無線接続に対応しており、従来機「WT-4」の2倍速でのデータ転送が可能。PCやスマートフォンからウェブブラウザを介して、カメラ内のメモリカードにある撮影データを一覧表示したり、カメラの簡易コントロールを行ったりできるHTTPモードなどが利用可能。電力はカメラ本体から供給される。