デザインの要とも言える「文字」。フォントの選び方によって、同じビジュアルでも大きく印象は変わってきますよね。数多くあるフォントの中からひとつを選びとることは、デザイナーにとって楽しくもあり、また悩ましい作業でもあるはずです。デザイナーの卵である美大生たちは、どのようなフォントをお気に入りで使っているのでしょうか? 都内の美術大学に通う現役学生20名に「好きなフォント(欧文)」をアンケートしてみました。

■Helvetica

Helvetica

「シンプルで、安定感があるので。世界で最も使われているフォントというだけあり、やはり見るほどにきれいだなと感じます」(21歳/女性)

■Century Gothic

Century Gothic

「直線的な中に、丸みがアクセントになっていてかわいらしい。ポスターやフライヤーなど、少しガーリーな印象にしたい時によく使います」(20歳/女性)

■Futura

Futura

「Futuraで組んであるロゴや文章を、眺めているのが好きです(笑)。ItalicやCondensedなどの書体ファミリーでそれぞれ印象が変わるのも楽しい」(19歳/男性)

まずは「Helvetiva」や「Century Gothic」、「Futura」といった定番のフォントが登場しました。いずれもシンプルなゴシック体で、汎用性が高いのが特徴ですね。

■Letter Gothic

Letter Gothic

「華奢で、品があるので。昔のタイプライターで打ったような雰囲気もあるのが好き」(23歳/女性)

■Orator

Orator

「小文字が、大文字をそのまま小さくしたデザインなところが好き。タイトルやロゴに使うことが多いです」(21歳/女性)

女子学生の中には、ゴシック体の中でも華奢な見た目のものや、デザインに特徴があるものが好きと答えてくれた人も多かったです。

■Bodoni

Bodoni

「縦線に対して、横線がスッと細いところが美しい。小文字のgと、数字が特に好きです!」(22歳/女性)

■Century Schoolbook

Century Schoolbook

「格式が高い感じがするので。オーソドックスな書体だけれども、組み合わせるビジュアルによってはやさしい、女性的なグラフィックにも使えるので」(21歳/男性)

■Baskerville

Baskerville

「繊細で高貴な雰囲気になるので。イタリックにして使うのが気に入っています」(23歳/女性)

「Bodoni」、「Century Schoolbook」、「Baskerville」は文字の端に"うろこ"のついたセリフ体。モダンな印象のゴシック体と比較して、格式高い雰囲気を出せたり、アンティーク感のあるデザインにもマッチします。

■Learning Curve Pro

Learning Curve Pro

「フリーフォントで見つけたお気に入りです。筆記体の練習帳をモチーフにしたデザインで、ほっこりした感じがあってかわいい」(22歳/女性)

■Harabara Hand

Harabara Hand

「手描き風のフリーフォントの中では、きれいで使いやすいので気に入っています。インクのかすれや"たまり"も表現されているので、『これ手で書いたの?』と聞かれることもしばしば」(22歳/男性)

漢字があるためフリーフォントが少ない和文に比べ、欧文では個性豊かなフリーフォントが数多く揃っています。有料フォントを購入するのが難しいお財布事情の学生たちは、フリーフォントを有効活用しているようです。

■Desdemona

Desdemona

「一度見たら忘れない書体! サイケデリックなイラストレーションが好きなので、それに合わせて使うことが多いです。縁取りと内側を別の色にして、派手にすると更に楽しい」(22歳/女性)

■Charlemagne

Charlemagne

「絵本や、映画のポスターなどのタイトルに使うと、ポップであたたかみのある雰囲気が出るので好きです」(20歳/女性)

「Desdemona」、「Charlemagne」は、大文字のみの書体となっているので本文の文字組には使いづらいですが、その分個性的なデザインでタイトルなどに向いています。

自分はあまり使ったことのないフォントも、こうして改めて見ると魅力があるということに気付かされますね。今回紹介したフォントの多くは、元々PCにインストールされているものやWebで手に入れられるフリーフォントですので、気になったものがあればみなさんも是非使ってみて下さい!