米Googleは10月31日(米国時間)、Androidプラットフォームのバージョン4.4.xになる「Android 4.4 KitKat」(以下KitKat)を発表した。AndroidおよびChromeの責任者であるSundar Pichai氏によると、KitKatは「よりスマートで、ユーザーを引きつけるAndroid体験を提供する」。メモリーフットプリントが見直されており、搭載RAMが少ない低価格スマートフォンでも幅広く採用できるようになった。KitKatは同日に発売されたAndroidスマートフォン「Nexus 5」に搭載され、さらにGoogleは数週間をかけてNexus 4、Nexus 7、Nexus 10、Google Play版のHTC OneおよびSamsung Galaxy S4にアップデートを提供するという。
KitKatはシステム全般におよぶメモリー管理の改善によって、ヒープの使用が減少するようにシステムプロセスが整えられ、RAMを消費するアプリからシステムメモリーが効果的に保護されるようになった。また不要なバックグラウンドサービスを取り除き、常用機能のメモリー使用量を減らしてメモリーフットプリントを削減した。これらによってシステムとアプリの効率性が向上、全体的にスムースかつ反応よく動作し、マルチタスクが滑らかに機能するようになった。同時に最新のAndroidを利用できる端末の幅も広がった。低価格スマートフォンでは端末の価格を押し上げるRAMの搭載量が限られるが、メモリーフットプリントが小さいKitKatは512MBのRAMでもスムースに動作するという。
スマート機能の強化はGoogleのサービスとの連携によるものが多い。Nexus 5では、ホーム画面やGoogle Nowにおいて「OK Google」と話しかけるだけで、音声アシスタント機能を使って、音声検索やメッセージの送信、経路検索、音楽の再生など様々な機能をすばやく利用できる。新しい電話アプリはユーザーが頻繁に連絡している人物を自動的に優先し、また近くの店やビジネスの検索にも対応する。例えば、かかってきた電話の通知は、番号を連絡帳のコンタクトに照らし合わせるだけではなく、Google Mapsのローカル検索も行って該当するビジネスや店の名前を表示する。コミュニケーション機能ではHangoutsアプリにSMS/MMSのサポートが加わり、1つのアプリでHangtoutsとメッセージを管理できるようになった。
電子書籍やゲームなどコンテンツ向けにImmersive (没頭)モードという新しいフルスクリーンモードが用意された。ユーザーがコンテンツに集中できるように、コンテンツだけを画面全体に表示する。画面の端をスワイプするとステータスバーやナビゲーションボタンにアクセスできる。
音楽を再生したり、映画をChromecastでストリーミングしている時に、端末の画面にアートワークがフルスクリーンで表示される。また再生中にロック画面でもメディアコントローラ(再生、一時停止、次に/戻る)を操作できるようになった。
これらのほか、以下のようなアップデートが加えられている。
- オンラインストレージサービスとデバイスの連携改善
- Googleキーボードに絵文字を追加。
- Bluetooth MAP (Message Access Profile )のサポート。
- Chromecastのサポート。
- クローズドキャプションのサポート。
- ホーム画面UIの切り替えが容易に。
- 写真のHDR+モード。
- 新デザインのQuickOffice。