いよいよ11月1日に発売となるアップルの「iPad Air」。11月中に発売予定の同社製「iPad mini Retinaディスプレイモデル」とともに注目が集まるが、MMD研究所が公表したiPad Air、iPad mini Retinaディスプレイモデルに関する購入意向調査では、タブレット所有者の3割以上が両製品の購入を検討していることが明らかになった。

また、同調査によれば、iPad AirまたはiPad mini Retinaモデルの購入意向者に対して、検討している端末の種類を聞いたところ、iPad Airでは49.9%、iPad mini Retinaディスプレイモデルでは49.5%の人が「Wi-Fiモデル」の購入を検討しており、3キャリアの「Wi-Fi+Cellularモデル」(NTTドコモ版の取り扱いは未定)の購入希望の合計を上回る結果となった。

iPadをはじめとするタブレットには、固定回線やモバイルルーターなどとの併用によって接続できるWi-Fi版と、LTE・3Gの通信機能を備えたセルラー版があるが、利用料金や外出先での利用などの点でそれぞれメリット、デメリットが存在する。

iPad Air(左)とiPad mini Retinaディスプレイモデル

そこでマイナビニュースでは、Wi-Fi版およびセルラー版タブレットユーザーを対象とした意識調査を実施し、それぞれのタブレットユーザーの不満を調べた。その結果、Wi-Fi版ユーザーの61%がネットワーク接続に不満を持っており、そのうちの55.7%がセルラー版に買い替えたいと考えていることが明らかになった。

同調査では、首都圏在住の20代から40代のタブレットユーザー199名(Wi-Fi版100名、セルラー版99名)を対象に実施。タブレットに関する不満や利用しているキャリア、買い替え希望などについて質問した。

結果を詳しく見てみると、まずWi-Fi版ユーザーに対し、「ネットワークに接続する際、面倒くさいと感じることはあるか?」と聞いたところ、61%が「ある」と答えた。また、そのように答えた人に対し、「セルラー版に買い替えたいと思うか?」を尋ねたところ、55.7%が「はい」と答えた。Wi-Fi版の全ユーザーにおける割合では、セルラー版への買い替え希望のあるユーザーは42%となったため、ネットワーク接続に不満を持つ人が、セルラー版への買い替えを希望する傾向が強いことがわかった。

また、Wi-Fi版ユーザーがセルラー版に買い替えたいと思っている具体的な理由としては、「場所を選ばずに接続できるから」(69%)、「なかなかWi-Fiに接続しないイライラから解放される」(52.4%)という声が多く挙がった。

一方、セルラー版ユーザーに対する質問では、「月々の利用料金について、どのように考えているか?」と聞いたところ、「やや高いと思う」(38.4%)、「高いと思う」(37.4%)という結果となり、利用料金が高いと感じているユーザーが多いことがわかった。

場所を選ばずに接続できるという特長はあるものの、月々の利用料金がセルラー版タブレットのネックとなっていることが明らかになったが、セルラー版タブレットの利用料金を割安に抑えられるサービスとして、KDDI(au)が2014年春より提供を予定しているのが「データシェア」だ。同サービスは、4G LTE対応スマートフォンとタブレットで月間最大9GBのデータ容量を分け合えるというもので、タブレットを月額2,992円で利用可能。

また、同サービスの提供に先駆けて実施されている「先取り!データシェアキャンペーン」では、4G LTE対応のスマートフォンとタブレットをセットで利用すると、タブレットの基本使用料が割安になる。4G LTE対応タブレットを新規もしくは機種変更で購入し、スマートフォンと同一名義で契約する「スマホセット割」に加入することで、月額1,050円(最大2年間)でタブレット利用可能だ。

なお、今回の調査で、セルラー版に買い替えたいと思っているWi-Fi版ユーザーに対し、「auのデータシェアを利用してみたいか?」を聞いたところ、57.1%が「利用してみたい」と答えた。同時に、「プラチナバンドであるauの800MHz帯LTEをタブレットで利用してみたいか?」を尋ねたところ、66.7%が「利用してみたい」と回答し、auのデータシェアと800MHz帯LTEへの期待度がうかがえる結果となった。

*  *  *

今回のWi-Fi版およびセルラー版タブレットユーザーを対象にした意識調査では、Wi-Fi版ユーザーの61%がネットワーク接続に不満を持っており、そのうちの55.7%がセルラー版に買い替えたいと考えていることが明らかになった。

10月29日には、KDDIよりau版iPad AirおよびiPad mini Retinaディスプレイモデルの本体価格が公表されたが、iPad Air Wi-Fi+Cellularモデルの現金(割賦)販売価格は16GBが65,520円、32GBが75,600円、64GBが85,680円、128GBが95,760円となっており、Wi-Fi版に比べて本体価格は各モデルとも約14,000円高いだけだ。さらに、auのデータシェアキャンペーンを利用した場合、月々の利用料金は1,050円で最大2年間利用可能だ。加えて、KDDIではiPadの下取りサービスを開始することを明らかにしている。こちらを活用することで、さらにiPad Air Wi-Fi+Cellularモデル購入のハードルが下がりそうだ。

セルラー版のタブレットであれば、外出先での面倒なWi-Fiの接続が不要で、急ぎの時や移動中なども通信でき、つながらなくてイライラすることも解消される。購入後に後悔しないように考えた場合、本当に「買い」なタブレットはセルラー版かもしれない。